セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(治療(化学療法1))

タイトル 消P-532:

再発例を除く進行切除不能大腸癌の治療成績の検討

演者 丸木 雄太(日本医大付属病院・消化器内科)
共同演者 河越 哲郎(日本医大付属病院・消化器内科), 名児耶 浩幸(日本医大付属病院・消化器内科), 小杉 友紀(日本医大付属病院・消化器内科), 植木 信江(日本医大付属病院・消化器内科), 小林 剛(日本医大付属病院・消化器内科), 山田 岳史(日本医大付属病院・1外科), 進士 誠一(日本医大付属病院・1外科), 辰口 篤志(日本医大付属病院・消化器内科), 小泉 岐博(日本医大付属病院・1外科), 菅 隼人(日本医大付属病院・1外科), 二神 生爾(日本医大付属病院・消化器内科), 藤森 俊二(日本医大付属病院・消化器内科), 坂本 長逸(日本医大付属病院・消化器内科)
抄録 (背景)切除不能進行再発大腸癌の治療成績は分子標的薬の登場もあって大きく飛躍してきている.近年,個別化医療の重要性も指摘されており,その一環として腫瘍量の違いで治療を層別化する試みも検討され始めている.一般に進行切除不能例は再発例より腫瘍量が多いことが予想される.そこで,今回我々は再発例を除く進行切除不能大腸癌の治療成績を検討し,進行切除不能大腸癌の治療戦略について考察した.(方法)2008年12月から2012年6月までに当科で治療を行った進行切除不能大腸癌患者50名を対象とし,その背景,1st  ,2nd別の治療成績(生存期間,治療効果,有害事象)に関して後ろ向きに検討を行い,進行切除不能大腸癌の治療戦略について考察した.(成績)背景:年齢中央値64歳,男性64%,PS0(48%):1(32%):2(16%):3(4%):4(0%),原発部:直腸(44%):結腸(56%),病理組織:分化型(66%):未分化型(30%):不明(4%),KRASは28名に測定し野性型(71%):変異型(29%),ESMO group: G1(12%):G2(70%):G3(18%)であった.治療レジメンは1stの90%がL-OHPベース,58%に抗VEGF抗体,10%に抗EGFR抗体が使用されていた.2ndは56%がCPT-11ベース,23%がL-OHPベース,46%に抗VEGF抗体,22%に抗EGFR抗体が使用されていた.1stから2ndへの治療移行率は52%であった.1stの治療効果はCR(0%):PR(64%):SD(18%):PD(8%):NE(10%),2ndはCR(0%):PR(4.5%):SD(31.8%):PD(22.7%):NE(40.9%)であった.1stからの生存期間(OS)は20.3M,2ndからは7.3Mであった.有害事象はG3以上を経験した者が1st(86%),2nd(82%),2つ以上のG3以上を経験した者が1st(20%),2nd(40%)であった.(結論)再発例を除く進行切除不能例においては2nd治療の効果と忍容性は不良であり,1st治療の工夫が肝要と思われた.
索引用語 切除不能大腸癌, 化学療法