セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(治療(化学療法1))

タイトル 消P-533:

当院における進行再発大腸癌に対するBevacizumab Beyond Progression(BBP)の治療成績

演者 小谷 大輔(北九州市立医療センター・消化器内科)
共同演者 白 暁鵬(北九州市立医療センター・消化器内科), 徳丸 佳世(北九州市立医療センター・消化器内科), 淀江 賢太郎(北九州市立医療センター・消化器内科), 荻野 治栄(北九州市立医療センター・消化器内科), 本田 邦臣(北九州市立医療センター・消化器内科), 井原 裕二(北九州市立医療センター・消化器内科), 秋穂 裕唯(北九州市立医療センター・消化器内科)
抄録 【背景】2012年5月にArnoldらによってML18147試験結果が報告され,前向き試験において初めてBevacizumab Beyond Progression(BBP)の有用性が証明された.そこで,当院におけるBBPの治療成績をretrospectiveに検討し,報告する.
【対象と方法】2008年10月から2013年2月に進行再発大腸癌と診断され,当院で一次治療としてBevacizumab(Bmab)を使用した全221例のうち,PDとなった後に二次治療でBmabを継続投与した全26例.ただし,一次治療がPDであった症例,一次治療の無増悪生存期間(PFS)が3ヶ月未満の症例,L-OHPやCPT-11の有害事象やアレルギーにより二次治療へ移行した症例は除外した.また,KRAS遺伝子変異の有無に関しても検討を行い,野生型(WT)13例,変異型(MT)12例,未検査1例であった.
【結果】二次治療の奏効率は7.6%,病勢コントロール率は42.3%,PFS中央値は135日であった.また,病勢コントロール率はKRAS WTでは38.4%,KRAS MTでは50%で,両群間に統計学的有意差は認められなかった(p= 0.695).
【考察】ML18147試験におけるBmab継続投与群の病勢コントロール率は68%,PFS中央値は171日であり,ML18147試験と比較すると今回の検討結果はやや悪い傾向にあった.また,KRAS遺伝子変異の有無と病勢コントロール率に明らかな相関は認められなかった.
【結語】当院におけるBBPの治療成績について報告した.ML18147試験と比較するとやや悪い結果ではあったものの,BBPは進行再発大腸癌の二次治療における分子標的薬の唯一の前向きランダム化第3相試験のエビデンスであり,BBPに基づいた治療を継続しながら,他の抗EGFR抗体等も含めた今後の第3相試験結果に期待したい.
索引用語 大腸癌, BBP