セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(治療(化学療法2))

タイトル 消P-538:

外来化学療法室における消化器疾患の有害事象発現と安全性の検討―当院 外来化学療法室における後方視的解析―

演者 森山 一郎(島根大附属病院・腫瘍センター)
共同演者 石原 俊治(島根大・2内科), 園山 浩紀(島根大・2内科), 多田 育賢(島根大・2内科), 岡 明彦(島根大・2内科), 楠 龍策(島根大・2内科), 福庭 暢彦(島根大・2内科), 大嶋 直樹(島根大・2内科), 結城 崇史(島根大・光学医療診療部), 川島 耕作(島根大・2内科), 三代 剛(島根大・2内科), 飛田 博史(島根大・2内科), 三宅 達也(島根大・2内科), 石村 典久(島根大・2内科), 佐藤 秀一(島根大・光学医療診療部), 木下 芳一(島根大・2内科)
抄録 【背景と目的】がん薬物療法および炎症性腸疾患(IBD)に対する生物学的製剤の治療は外来通院で行うことが一般的であるが,少なからず発現する有害事象(AE)についての検討は少ないため検討を行った.【対象・方法】2003年8月より2013年1月に当院の外来化学療法室で治療を行った患者を対象とした.外来化学療法室利用当日のAEの発生数(期間別でも検討,(前期(2003年-2006年),中期(2007年-2009年),後期(2010年-2013年)とし,結果を順にカッコ内記載した),重症度,原因,およびその対処法について検討した.【結果】対象期間に外来化学療法室を利用した患者は1,549例であった.その内訳はがん薬物療法1,436例,うち消化管394例,肝胆膵237例であり,IBD・膠原病などに対する免疫調整薬115例,うちIBD 30例(クローン病 25例,潰瘍性大腸炎5例)であった.利用延べ件数は19,363件(前期4,297件,中期6,111件,後期8,955件)であった.発生したAEは107例,135件,うち消化器疾患のAEは54例,75件(大腸がんとIBDとで44例,65件)であった.消化器疾患のAEの内訳はアレルギー・アナフィラキシー反応24件(1件,6件,17件),高血圧18件(0件,1件,17件),ポート・インヒューザーポンプトラブル10件(4件,5件,1件),などであった.CTCAE v4.0でGrade3以上の重篤なAEは10件で,入院は5件であった.【結論】今回の検討で,消化器疾患において新規薬剤・レジメンの登場により外来治療のAEのプロファイルに変化が起き,手技改善により投与経路によるAEは減少していた.また一部発生しうる重篤なAEも適切な対処により安全に施行可能と考えられた.
索引用語 外来化学療法, 大腸がん