セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(機能性疾患)

タイトル 消P-540:

便失禁に対するロペラミド塩酸塩の効果に関する検討

演者 味村 俊樹(高知大附属病院・骨盤機能センター)
共同演者
抄録 【目的】便失禁に対する保存的療法としてロペラミド塩酸塩の適量化による軽度便秘化があり,国際失禁会議でも推奨度Cとして便失禁診療ガイドラインに取り入れられている.今回,便失禁に対するロペラミド塩酸塩の効果を検討した.
【方法】2008年8月~2012年12月に便失禁を主訴に当施設を受診した122例中,ロペラミド塩酸塩にて治療を行なったのは29例(24%)であった.この29例を対象に,その臨床背景とロペラミド塩酸塩による治療効果を検討した.治療効果は,症状をFecal Incontinence Severity Index(FISI ,0点:便失禁なし~61点:最悪便失禁)とWexnerスコア(0点:便失禁なし~20点:最悪便失禁)で,便失禁特異的な生活の質をJapanese version of the Fecal Incontinence Quality of Life scale(JFIQL,最悪:1点~最善4.1点)で評価した.
【成績】29例の平均年齢70±8歳,女性19例(66%)で,症状は漏出性15例,切迫性3例,混合性11例であった.直腸肛門機能検査では,機能的肛門管長:平均3.3±0.7cm,最大静止圧:42.9±22.6mmHg,随意収縮圧(増加分):119±78mmHg,随意収縮圧(純粋値):153.8±87.6mmHg,最少知覚量:57±43ml,最少便意発現量:105±81ml,最大耐容量:183±80mlであった.ロペラミド塩酸塩の投与量は,中央値1mg/日(範囲:0.5~4)で,投与前後で排便回数は平均2.8±2.4回/日から1.5±0.9回に有意に減少し(P=0.005),便性もブリストル便性状スケールで平均4.4±1.1から3.7±0.7と有意に固形化された(P=0.002).治療成績は,平均経過観察期間243±266日で,治療前後でFISIが平均22.8±10.3点から11.4±10.1点に,Wexnerスコアが平均10.8±3.8点から6.1±4.5点に,JFIQLが平均2.6±0.7点から3.2±0.7点に,いずれも有意に改善した(P<0.0001).
【結論】便失禁患者の症状改善と生活の質向上に,ロペラミド塩酸塩適量化による軽度便秘化は有効な治療法である.
索引用語 便失禁, ロペラミド塩酸塩