セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(症例報告)

タイトル 消P-545:

当院で経験したCronkhite-Canada症候群の4例

演者 森 泰希(浜松医療センター・消化器内科)
共同演者 吉井 重人(浜松医療センター・消化器内科), 山田 正美(浜松医療センター・消化器内科), 影山 富士人(浜松医療センター・消化器内科), 本城 裕美子(浜松医療センター・消化器内科), 高井 哲成(浜松医療センター・消化器内科), 岩岡 泰志(浜松医療センター・消化器内科), 住吉 信一(浜松医療センター・消化器内科), 松浦 愛(浜松医療センター・消化器内科), 下山 真(浜松医療センター・消化器内科), 石田 夏樹(浜松医療センター・消化器内科), 松永 英里香(浜松医療センター・消化器内科)
抄録 【はじめに】Cronkhite-Canada 症候群(以下CCS)は,消化管ポリポーシスに脱毛,色素沈着および爪甲変形,萎縮を伴う比較的まれな原因不明の非遺伝性疾患である.今回当院で経験したCCSの4症例を報告する.【症例1】72歳,女性.脱毛,手掌,口唇の色素沈着,爪甲萎縮にて皮膚科受診.その後体重減少,味覚障害,下腿浮腫出現し近医受診,内視鏡にて胃,大腸に多発するポリープを認めCCSの診断にてH10年8月当院紹介.入院,絶食のうえPSL40mg+トラネキサム酸1500mg内服開始したところ,自覚症状,臨床症状は著明に改善した.その後再燃なく経過しH13年1月内服薬終了した.【症例2】66歳,女性.H9年9月下旬より食思不振出現,脱毛,爪甲異常認め近医より当院紹介.内視鏡で胃,大腸に多発するポリープを認めCCSと診断.無治療で症状改善.【症例3】46歳,男性.半年ほど前より下腹部不快感,味覚障害,脱毛認め,その後下痢出現しH9年10月検診の上部消化管造影にて異常影指摘され12月当院紹介.内視鏡で胃,大腸に多発するポリープを認めCCSと診断.トラネキサム酸1500mg,成分栄養剤開始するも症状改善に乏しく中心静脈栄養のうえPSL60mg静注療法に変更し,改善傾向あり.以後PSL減量中の再燃により入退院を繰り返す.H13年,H18年に腸重積を発症し小腸切除術施行.H20年2月胃癌認め幽門側胃切除が施行された.【症例4】86歳,女性.H24年4月頃より食思不振,味覚障害,下痢が出現し近医より紹介.脱毛,爪甲変形,両下腿に色素沈着を認めた.内視鏡にて胃,大腸に多発するポリープを認め,CCSと診断し,PSL25mg内服開始したところ,1週間後には症状軽快し退院.以後PSL15mgまで漸減し転院となる.【考察】CCSは,治療法が確立されたものがなく,当院の症例でも自然軽快したものから治療に難渋した症例,癌合併を認めたものまで臨床経過も多様である.若干の文献的考察を含めて報告する.
索引用語 Cronkhite-Canada症候群, 消化管ポリポーシス