共同演者 |
黒河 聖(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 賀集 剛賢(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 西園 一郎(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 乙黒 雄平(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 鈴木 肇(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 寺門 洋平(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 那須野 正尚(札幌厚生病院・IBDセンター), 菊池 仁(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 田中 浩紀(札幌厚生病院・IBDセンター), 西岡 均(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 萩原 武(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 小澤 広(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 前田 聡(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 本谷 聡(札幌厚生病院・IBDセンター), 今村 哲理(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)) |
抄録 |
腸管嚢胞様気腫症(pneumatosis cystoides intestinalis :PCI)は,腸管の粘膜下,あるいは漿膜下に多発性の嚢胞状の気体貯留を認める病態で,比較的稀な疾患であるが,本邦では500例以上報告されている.今回,当院で経験したPCI症例11例に関して検討した.症例は男性4例,女性7例.症状は下血1例,腹痛2例,下痢2例,腹部膨満感2例,無症状4例.病変は大腸型9例.小腸型2例.診断は大腸内視鏡検査で発見されたものが6例,腹部CT検査で診断されたものが5例.free airを4例で認めた.治療法は経過観察のみの無治療例が8例,2例は保存的治療にて軽快し,絞扼性イレウスを認めた1症例は緊急手術となった.治療法は無治療例が多く占め,腹腔内遊離ガスを認めた例でも経過観察や保存的治療が可能であった.しかし,消化管穿孔や腸管壊死の場合は緊急手術が必要となり,腹腔内遊離ガスを認めた際には注意して治療法を決定することが重要であると考えられる. 当院で経験したPC11症例に関して,臨床所見,画像所見,治療法に関して文献的考察を加え報告する. |