セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(症例報告)

タイトル 消P-547:

クローン病に対するintensive GMAとadalimumab併用治療における寛解導入効果の検討

演者 尾関 啓司(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学)
共同演者 谷田 諭史(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 溝下 勤(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 塚本 宏延(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 城 卓志(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学)
抄録 【目的】現在,クローン病(CD)に対する内科治療は抗TNF-α抗体治療が中心となっているが,単独治療では速やかに寛解に至らない症例,二次無効症例も経験され,併用療法の考慮が必要である.本邦においてCDにおける顆粒球除去療法 GMA(1回/週)の有効性が報告されている.しかしGMAと抗TNF-α抗体併用治療における治療効果に関する報告は少ない.今回当院における,intensive GMA(2回/週)とadalimumab(ADA)併用治療群の有効性について検討した.【方法】当院で2011年1月から2013年3月の約2年間に経験したCD症例に対してintensive GMA,ADA併用療法を施行した連続10症例中,手術後症例を除く9症例(男:女=7:2・平均年齢35.6±13.6歳・平均罹病期間5.5±5.2年)においてADA治療開始後10週後でのCD activity index(CDAI),CRP値と内視鏡観察が可能であった症例で内視鏡像Crohn's disease endoscopic index of severity(CDEIS)にて比較検討した.【成績】小腸大腸型が4例,大腸型が5例であった.steroid failure例1例,Infliximab(IFX) failureが2例,ADA failureが1例,ADA初回導入治療例が5例であった.治療前CDAIは,285.7±38.7から治療後97.5±14.8 (P<0.01) へと有意に改善し,9例中8例で臨床的寛解に至った.同様にCRPは,4.3±0.9から0.4±0.2(P<0.01)へと有意に改善した.内視鏡的評価が可能であった症例では全例で内視鏡scoreの改善が得られた.また,全例において有害事象は認められなかった.【結論】intensive GMAとadalimumabの併用寛解導入治療は,biologic naïveおよび2次無効症例での寛解導入がほぼ全例で可能となり,有効かつ安全な寛解導入治療の一つの選択肢になりうると考えられた.
索引用語 adalimumab, 顆粒球除去療法