セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(その他1)

タイトル 消P-551:

大腸憩室手術症例の検討

演者 土持 有貴(宮崎市郡医師会病院・外科)
共同演者 島山 俊夫(宮崎市郡医師会病院・外科), 田中 俊一(宮崎市郡医師会病院・外科), 塩月 裕範(宮崎市郡医師会病院・外科), 増田 好成(宮崎市郡医師会病院・外科), 中川 昇(宮崎市郡医師会病院・内科), 千々岩 一男(宮崎大・腫瘍機能制御外科学)
抄録 【目的】近年食生活の欧米化や人口の高齢化に伴って大腸憩室を診る機会が多くなっている.当科で経験した大腸憩室に対する手術症例の治療成績を検討した.【対象】2006年1月から2012年12月までに当科で手術した大腸憩室36例である.【結果】症例は,男性24例,女性12例であった.手術適応別では,穿孔が22例で男性14例,女性8例,平均年齢は66.1歳,80歳以上が7例でS状結腸が17例,盲腸が3例,上行結腸が2例であった.出血は頻回出血か止血困難の11例で,男性6例,女性5例,平均年齢は70.1歳,80歳以上は2例で上行結腸が7例,下行結腸が2例,S状結腸が2例であった.狭窄は3例で,全例男性で平均年齢は75.3歳であった.手術術式は結腸切除が25例,ハルトマン手術が7例,穿孔部閉鎖が2例,ドレナージが1例であった.術後合併症は7例(19.4%)で創感染が3例,創離開,縫合不全,十二指腸潰瘍出血,誤嚥性肺炎が各1例で全例穿孔例であり出血例に比べて有意に多かった(p<0.05).術後入院日数は穿孔例で平均25.0日(ハルトマン術後の2期手術4例を含む),出血例は平均18.1日,狭窄例は平均20.0日であった.在院死亡は80歳代の誤嚥性肺炎1例(死亡率2.8%)であった.退院後の遠隔成績では,腹部の再手術はイレウスが2例,直腸癌が1例の3例で全例穿孔術後であった.その他再入院は穿孔例の1例が残存した憩室出血のため,穿孔例と狭窄例の各1例がイレウスで保存的治療を要した.【結語】大腸憩室に対する手術症例は男女比2:1で男性に多かった.穿孔例はS状結腸に多く,出血例は上行結腸に多かった.穿孔例では出血例に比べて術後合併症が有意に多かった.この内高齢者の1例を誤嚥性肺炎で失った.また遠隔時にイレウスや残存した憩室からの出血等による再入院を要することがあり退院後も注意深い経過観察が必要と考えられた.
索引用語 大腸憩室, 手術