セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(その他3)
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タイトル |
消P-568:当院における市中発生Clostridium difficile腸炎の特徴
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演者 |
相場 恒男(新潟市民病院・消化器内科) |
共同演者 |
杉村 一仁(新潟市民病院・消化器内科), 五十嵐 俊三(新潟市民病院・消化器内科), 荒生 祥尚(新潟市民病院・消化器内科), 佐藤 理映(新潟市民病院・消化器内科), 佐藤 宗広(新潟市民病院・消化器内科), 米山 靖(新潟市民病院・消化器内科), 和栗 暢生(新潟市民病院・消化器内科), 古川 浩一(新潟市民病院・消化器内科), 五十嵐 健太郎(新潟市民病院・消化器内科) |
抄録 |
【背景】Clostridium difficile (CD) 腸炎は,病院・介護施設等での院内発生が知られてきたが,近年欧米では市中感染の増加と高病原性菌株の集団発生が報告されている.わが国でも抗生剤の使用量の増加に伴い市中発生CD腸炎の増加が懸念されている.【対象】近年3年間における当院便培養検査における有症状CD陽性患者のうち,外来初診患者を抽出し市中発生のCD腸炎の特徴を検討した.【結果】 全便培養検査中のCD陽性率は9.5% (266/2777) であり,このうち当院外来初診患者は9名であった.男性1例・女性8例であり,受診理由は「他院加療も症状が遷延し受診」した症例が8/9例と多数を占めた.年齢分布は20代に4例と集中していた.確認可能な職業は,育児中2・保母1・介護職1例であった.抗生剤の先行投与は4例に認めた.便培養陽性9例中のCD Toxin陽性例は2例のみであった.CF所見では6例に偽膜を認め,Toxin陰性例でも偽膜が認められた.3例は経過観察や整腸剤で改善したが,6例でVancomycinやMetronidazoleの投与が必要であった.CD Toxin陽性の2症例は易再燃性であり,再治療が必要であった.【考察】CDの芽胞は病院・介護施設等の院内だけでなく住宅や公園等の市中にも存在する.日常的に乳幼児が接触する砂場からのCDの分離頻度は高く乳幼児における保菌率は高い.このため,欧米では市中発生CD腸炎のリスク因子として「2歳以下の子供がいる」「介護職に従事」「抗生剤投与歴」が挙げられているが,今回の検討でも市中発生CD腸炎は抗生剤投与歴のある育児中女性や介護職員に認められた.本邦の市中CD腸炎頻度はまだ高くはないが,育児中女性や介護職員の遷延する下痢には,市中発生CD腸炎を鑑別疾患として考慮する必要がある.診断にはCD Toxinだけではなく嫌気培養によるCD同定が必要であり,市中CD腸炎の高リスク群に対しては,感冒時等に不必要な抗生剤投与は避ける必要があると考えられた. |
索引用語 |
Clostridium difficile, 市中発生 |