セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(その他4)

タイトル 消P-569:

当院における大腸動静脈奇形6例の検討

演者 占部 真貴子(大阪警察病院・内科)
共同演者 山口 真二郎(大阪警察病院・内科), 上間 遼太郎(大阪警察病院・内科), 佐藤 克彦(大阪警察病院・内科), 姫野 愛子(大阪警察病院・内科), 妻野 恵理(大阪警察病院・内科), 堀江 真以(大阪警察病院・内科), 楠本 侑弘(大阪警察病院・内科), 須田 貴広(大阪警察病院・内科), 大嶋 太郎(大阪警察病院・内科), 景山 宏之(大阪警察病院・内科DELIMITER大阪警察病院・ER・総合診療センター), 村田 真衣子(大阪警察病院・内科), 宇田 創(大阪警察病院・内科), 宮竹 英希(大阪警察病院・内科), 水谷 昌代(大阪警察病院・内科), 岡田 章良(大阪警察病院・内科), 河相 直樹(大阪警察病院・内科), 西田 義記(大阪警察病院・放射線科), 尾下 正秀(大阪警察病院・内科)
抄録 【目的】
大腸動静脈奇形(以下,大腸AVM)は消化管出血をきたす比較的稀な疾患である.今回我々は,当院にて経験した大腸AVM6例の臨床的特徴について検討した.
【対象】
2010年以後,大腸AVMに対し治療を行った6例(男:女=5:1,平均年齢:68歳)
【成績】
症状は全例に下血を認め,うち2例はショック状態であった.4例で輸血が施行された.4例に抗血小板薬・抗凝固薬の投与がされ,そのうち2例が肝硬変を合併していた.病変部位は,下部直腸4例,上行結腸2例.造影CTおよび大腸内視鏡検査を全例に施行し,CTで病変が造影された5例全例で,大腸内視鏡検査により病変部位を同定しえた.血管造影を行い,異常血管の集簇(nidus)と流出静脈の早期描出(early venous return)が全例で確認でき,Cyanoacrylate系組織接着剤によるtranscatheter arterial embolization (以下,TAE)を施行し,4例は止血が得られた.1例は一次止血は得られるも再出血により再度TAE施行し止血を得た.1例はIntervention radiologyによる止血が困難で,開腹回盲部切除術を行った.TAEを施行し止血を得た5例において再出血は認めず,穿孔などの合併症もなかった.平均在院日数はTAE後に併存疾患の治療を行った1例を除き10日(5-17日)であった.
【結論】
大腸AVMは外科的切除が原則であるが,TAEは低侵襲かつ高い止血効果が得られており,有効な治療法になり得ると考えられた.
索引用語 大腸動静脈奇形, TAE