セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(その他4)

タイトル 消P-573:

下部消化管出血の累積再出血率とリスク因子の検討

演者 青木 智則(国立国際医療研究センター・消化器科)
共同演者 永田 尚義(国立国際医療研究センター・消化器科), 大武 優希(国立国際医療研究センター・消化器科), 小森 寛之(国立国際医療研究センター・消化器科), 櫻井 恵(国立国際医療研究センター・消化器科), 藤澤 真理子(国立国際医療研究センター・消化器科), 三島 沙織(国立国際医療研究センター・消化器科), 秋山 純一(国立国際医療研究センター・消化器科), 柳瀬 幹雄(国立国際医療研究センター・消化器科)
抄録 【目的】下部消化管出血は,保存治療で入院加療した後も時に再出血をきたす.今回,再出血のリスク因子を明らかにする.【方法】血便で入院した患者のうち,悪性,炎症性腸疾患,処置後,治療介入例を除外した268例(憩室出血146,虚血性腸炎40,血管拡張6,直腸潰瘍5,他)を解析した.再出血をイベントとし,累積再出血率を求めた.log-rank検定,Cox比例ハザードモデルを用いてHazard Ratio(HR)を抽出した.【成績】観察期間中央値は299日であった.再出血との関連は,憩室出血(p<0.01),高齢 (p<0.05),性別(p=0.88),高血圧(p<0.01),虚血性心疾患(p=0.13),糖尿病(p=0.87),脂質異常症(p=0.81),慢性腎不全(p=0.20),慢性肝炎(p=0.83),脳梗塞(p=0.17),低用量アスピリン(p=0.12),その他の抗血小板薬(p=0.11),抗凝固薬(p=0.15),NSAIDs(p<0.05)であった(図).多変量解析の結果,憩室出血(HR3.0),高齢(HR1.8),高血圧(HR2.1),NSAIDs(HR1.8)が独立した再出血のリスク因子であった.【結論】低用量アスピリンを含む抗血小板薬や抗凝固薬は再出血のリスク因子とはならなかった.NSAIDsは独立したリスク因子であり,休薬や代替療法が再出血予防につながると示唆された.
索引用語 下部消化管出血, NSAIDs