セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(その他5)

タイトル 消P-575:

大腸憩室出血例の検討

演者 津久井 雄也(山梨大・1内科)
共同演者 大高 雅彦(山梨大・1内科), 植竹 智義(山梨大・1内科), 小馬瀬 一樹(山梨大・1内科), 吉田 貴史(山梨大・1内科), 小林 祥司(山梨大・1内科), 浅川 幸子(山梨大・1内科), 佐藤 公(山梨大・1内科), 飯野 弥(山梨大・1外科), 藤井 秀樹(山梨大・1外科), 榎本 信幸(山梨大・1内科)
抄録 背景:通常内視鏡検査時の大腸憩室出血の診断能は30~40%と低率であるが,適切な処置ができなかった場合,その再出血率は高い(40%).高齢化やNSAID, 抗凝固剤・抗血小板剤の使用により増加してきた.目的:大腸憩室出血例の特徴を明らかにする.対象と方法:2008年1月より2012年12月末まで下部消化管出血を主訴に入院した延べ44例を対象とした.血便を主訴に来院した患者に対して,24時間以内に大腸内視鏡検査を行い出血の原因が検索を行った.スクープの先端にはフードを用いた.患者の状態が良好な場合は,できるだけ腸洗浄を行った後に大腸鏡を施行した.結果:大腸憩室出血のべ26例(59.1%),20例(確定9例,疑診11例)であった.4例に複数回出血歴を有した.憩室出血の確定例を述べ件数で検討すると12例あり,年齢55~82歳(平均71.1歳),男/女 8/1,来院時ショック3例(25%),輸血10例(83.3%),先行CTによる診断は3例にあった.部位C/A/T/D/S/R 1/7/0/0/4/0,基礎疾患は心筋梗塞6例(50%),弁膜症1例,HT2例,なし3例であった.NSAID使用例はなく,低用量アスピリン6例(50%),ワルファリン1例であった.治療は,内視鏡的止血術(クリップ)8例(66.7%),バリウム充填3例(2例の重複を含む),IVR1例,外科的止血2例であった.考察:大腸憩室出血確定例の特徴は,男性が多く,心疾患の併存があり,抗凝固・抗血小板剤の使用が目立つ.輸血率が高い.内視鏡止血の難渋例がありIVRや外科的止血へ移行例が25%に見られた.結語:大腸出血の頻度の高い憩室出血の特徴を述べた.ショックや輸血率が高い.内視鏡止血の難渋例がありIVRや外科的止血へ移行例が25%に見られた.
索引用語 大腸憩室出血, 抗凝固剤