セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(その他5)

タイトル 消P-576:

大腸憩室出血のリスク因子についての検討-当院における大腸憩室出血例110例と非出血例110例との比較検討をもとに-

演者 濱田 健太(津山中央病院・消化器・内視鏡センター)
共同演者 竹本 浩二(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 岡 昌平(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 馬場 雄己(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 岡崎 倫子(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 赤穂 宗一郎(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 朝戸 俊行(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 河合 大介(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 竹中 龍太(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 平良 明彦(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 柘野 浩史(津山中央病院・消化器・内視鏡センター), 藤木 茂篤(津山中央病院・消化器・内視鏡センター)
抄録 【目的】大腸憩室の増加に伴い大腸憩室出血の頻度は増加傾向にある.しかし,大腸憩室に関する詳細な報告はそれほど多くないため,大腸憩室出血のリスクについて検討を行った.【方法】2000年1月から2013年1月までの間に当院で大腸憩室出血と診断された110例と,2012年11月から2013年1月までに当院で下部消化管内視鏡検査を施行し大腸憩室を認めた症例のうち大腸憩室出血の既往がない110例とを比較した.検討項目は憩室の個数,憩室の部位,憩室炎の既往,基礎疾患(高血圧,高脂血症,糖尿病,虚血性心疾患,脳出血,脳梗塞,大腸ポリープ,大腸癌),内服薬(抗血小板薬,抗凝固薬,NSAIDs,ステロイド,下剤),排便状況,飲酒歴,喫煙歴とした.【成績】単変量解析で有意差を認めた項目は憩室の部位(横行結腸,下行結腸,S状結腸),基礎疾患(虚血性心疾患,脳梗塞,大腸ポリープ),内服薬(抗血小板薬,NSAIDs,下剤),喫煙歴であった.これらについて年齢,性別,BMIとともに多変量解析を行うと,出血症例において横行結腸(p=0.0047),S状結腸(p=0.0021)に憩室を有する症例が有意に多く,また大腸ポリープ(p<0.0001)を有する症例が有意に少なかった.従来,憩室出血のリスク因子として報告されている便秘,高血圧,糖尿病,虚血性心疾患などの基礎疾患,抗血小板薬やNSAIDsの内服薬は今回の検討では有意差を認めなかった.【結論】横行結腸憩室,S状結腸憩室は大腸憩室出血のリスク因子と考えられた.
索引用語 大腸憩室出血, リスク因子