セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(その他5) |
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タイトル | 消P-578:大腸癌の治療動向からみる内科医の役割 |
演者 | 山口 達也(市立甲府病院・消化器内科DELIMITER山梨大・1内科) |
共同演者 | 小林 祥司(市立甲府病院・消化器内科), 大塚 博之(市立甲府病院・消化器内科), 早川 宏(市立甲府病院・消化器内科), 津久井 雄也(市立甲府病院・消化器内科), 門倉 信(市立甲府病院・消化器内科), 雨宮 史武(市立甲府病院・消化器内科), 吉田 幸代(市立甲府病院・外科), 福島 久貴(市立甲府病院・外科), 三井 文彦(市立甲府病院・外科), 千須和 寿直(市立甲府病院・外科), 巾 芳昭(市立甲府病院・外科), 榎本 信幸(山梨大・1内科) |
抄録 | 【背景】胃癌の罹患率が減少するのとは対照的に,大腸癌は食生活の欧米化とともに急速に増加している.従来の外科手術に加えて内視鏡切除や分子標的薬も含めた化学療法,放射線治療,大腸ステント留置など多様な選択肢が増える中で,より良い治療を提供するために,全体として大腸癌にどのような治療が行われているかを把握する必要がある.【目的・方法】400床の地域のがん拠点病院である当院で,平成24年に大腸がんとして登録された143例のうち再発2例と他院で治療を受けた3例を除いた138人について発見の経緯,病期,治療法を検討した.【結果】性別(男 / 女91 / 47),年齢28 - 93歳(平均71.7歳),発見経緯(検診・人間ドック / 他有症状など 26 / 112),病期(UICC stage 0 / I/ II/ III/ IV/ 不明 6 / 33 / 33 / 33 / 28 / 5)であった.治療法は内視鏡切除が13例(複数病変を内視鏡切除+外科切除した2例を含む),外科手術113例,化学療法55例(他治療との併用を含む),放射線治療10例(他治療との併用を含む),無治療(BSCのみ)3例であった.治癒切除と判断されたのは86例で,人工肛門造設などの姑息的手術は9例,術後の化学療法を行った症例は51例であった.また,内視鏡切除のみの患者の病変発見経緯は7/ 11例(63.6%)が検診・人間ドックによる発見であった.【結論・考察】大腸癌の主たる治療法は依然として外科手術(81.9%)であるが化学療法が必要な症例(39.9%)も多く,治療の進歩に伴い化学療法を行う期間も延長しており,効率的な治療には外科医と内科医の役割分担が不可欠である.今後は患者の負担を軽減させるためにもESDを含めた内視鏡切除や,腸閉塞の解除など姑息的な手術に代わるステント留置などの適切な治療法の選択が内科医の課題と考えられた. |
索引用語 | 大腸癌, 治療 |