セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(その他5) |
---|---|
タイトル | 消P-580:炎症性腸疾患に対し免疫調節薬を使用している患者のB型肝炎ウイルス感染の実態調査 |
演者 | 富澤 琢(群馬大附属病院・光学医療診療部) |
共同演者 | 佐川 俊彦(群馬大大学院・病態制御内科学), 椎名 啓介(原町赤十字病院・内科), 田中 秀典(原町赤十字病院・内科), 高橋 和宏(原町赤十字病院・内科), 関口 雅則(公立富岡総合病院・消化器科), 迫 陽一(公立富岡総合病院・消化器科), 井上 照基(群馬大大学院・病態制御内科学), 大塚 修(前橋赤十字病院・消化器内科), 土岐 譲(前橋赤十字病院・消化器内科), 坂本 直美(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 飯塚 賢一(前橋赤十字病院・消化器内科), 蜂巣 陽子(済生会前橋病院・消化器内科), 工藤 智洋(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 吉田 誠(下仁田厚生病院・内科), 仁平 聡(済生会前橋病院・消化器内科), 猿谷 哲也(公立富岡総合病院・消化器科), 佐藤 賢(群馬大大学院・病態制御内科学), 河村 修(群馬大大学院・病態制御内科学), 草野 元康(群馬大附属病院・光学医療診療部) |
抄録 | 【目的】炎症性腸疾患(IBD)の治療で免疫調節薬のアザチオプリン(AZA)やメルカプトプリン水和物(6-MP)の使用機会が増えている(6-MPは保険適応外).B型肝炎ウイルス(HBV)キャリアにおいて免疫調節薬使用が誘因となりHBVが再増殖し肝炎を発症することをHBV再活性化という.2011年9月に免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン(改訂版)が発表されたが実臨床では対策が十分とは言い難い.本研究は免疫調節薬使用IBD患者のHBV感染実態を把握し,HBV再活性化ハイリスク群同定と肝炎発症予防の標準的対策法追及を目的としている.【方法】対象は2013年2月末時点で当科関連病院にてIBDと診断を受けた患者.このうちAZAまたは6-MP使用患者(ステロイド,タクロリムス,生物学的製剤併用の有無は問わない)に対し,HBV関連項目(HBs抗原,HBc抗体,HBs抗体,HBV-DNA)の検査施行の有無について前向き観察研究を行った.【成績】全対象は520例,このうちAZAまたは6-MP使用患者は83/501例(16.6%)であった.AZAまたは6-MP使用患者のうちHBs抗原陽性は0例だったが3/83例(3.6%)がHBc抗体陽性だった.いずれもHBV-DNAは検出せず現在もフォロー中である.検査未施行は19/83例(22.9%)だった.【結論】AZAまたは6-MP使用例にHBs抗原陽性はいなかったがHBc抗体陽性例が少数存在していた.AZAまたは6-MP使用患者でもHBV関連項目の検査未施行例が20%を超えていた.IBD患者における免疫調節薬使用例に対しHBV関連項目の検査を行うことはHBV再活性化と肝炎発症を予防するうえで重要と考える. |
索引用語 | 炎症性腸疾患, B型肝炎 |