セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)その他(医療総合1) |
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タイトル | 消P-588:消化器専門医に求められる総合診療能力―当院総合診療科年間初診患者約5000例を解析して― |
演者 | 村上 晃司(愛媛県立中央病院・総合診療科) |
共同演者 | 野間 章裕(愛媛県立中央病院・総合診療科DELIMITER愛媛県立中央病院・臨床研修センター), 大野 篤志(愛媛県立中央病院・総合診療科DELIMITER愛媛県立中央病院・臨床研修センター), 八木 悠一郎(愛媛県立中央病院・総合診療科DELIMITER愛媛県立中央病院・臨床研修センター), 鶴田 寛二(愛媛県立中央病院・総合診療科DELIMITER愛媛県立中央病院・臨床研修センター), 清水 元気(愛媛県立中央病院・総合診療科), 明坂 和幸(愛媛県立中央病院・総合診療科), 杉山 圭三(愛媛県立中央病院・総合診療科), 玉木 みずね(愛媛県立中央病院・総合診療科), 本間 義人(愛媛県立中央病院・総合診療科), 相引 利彦(愛媛県立中央病院・総合診療科), 山岡 傅一郎(愛媛県立中央病院・総合診療科) |
抄録 | 【目的】主に外来診療において,消化器専門医に求められるであろう総合診療能力について検討する.【方法】平成23年1年間(診療日数243日)に当院総合診療科を受診した初診患者4893例(1診療日当たり20.1人)のうち,消化器症状を主訴とした患者988例(20.2%)を電子カルテをもとに解析した.【成績】受診動機は,腹痛(不快感を含む)を主訴とする患者が527例(53.2%),便通異常137例(13.9%),嘔気・嘔吐・(下痢)111例,下血・血便44例,胸焼け34例などであった.初診時他科コンサルトは112例(11.3%)でなされたが,消化器以外の疾患が診断あるいは疑われ他科へコンサルトされた例は52例で,泌尿器科14例,産婦人科9例,循環器科・整形外科5例など様々な科にわたっていた.一方消化器症状以外を主訴に受診した患者で消化器疾患が診断あるいは疑われ消化器科にコンサルトされた例は32例であった.心窩部痛を主訴に受診した189例を検討すると,上部消化管疾患を疑い79例(41.8%)に胃カメラが行われたが56例(70.9%)には器質的病変を認めなかった.検査によって器質的疾患は50例(胆道系疾患10例,消化性潰瘍8例,膵疾患6例など)に確認されたが,不安定狭心症・心筋梗塞3例,肺塞栓症など消化器疾患以外の重篤な疾患も含まれていた.【結論】消化器専門医には主に消化器疾患の診断と治療を求められるが,消化器症状で受診した患者が消化器疾患とは限らず,様々な領域の身体疾患が紛れ込んでおり中には重篤な疾患も含まれる.また検査で器質的病変を認めない機能性消化管障害(FGID)やうつ・不安など心理社会的要因が関与する例も多い.こうした患者に適切に対応するためには,消化器専門医においても絶えず総合診療能力を磨く必要がある.さらに検討を加え報告する. |
索引用語 | 総合診療, 専門医 |