セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)その他(医療総合1) |
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タイトル | 消P-590:消化器疾患DIC症例に対するリコンビナントトロンボモジュリンの使用経験 |
演者 | 藤浪 斗(富山大・3内科) |
共同演者 | 細川 歩(富山大・3内科), 西川 潤(富山大・3内科), 田尻 和人(富山大・3内科), 梶浦 新也(富山大・3内科), 河合 健吾(富山大・3内科), 安藤 孝将(富山大・3内科), 三原 弘(富山大・3内科), 植田 亮(富山大・3内科), 吉田 啓紀(富山大・3内科), 峯村 正実(富山大・3内科), 杉山 敏郎(富山大・3内科) |
抄録 | 【背景】リコンビナントトロンボモジュリン(rTM)は,造血器悪性腫瘍あるいは感染症に起因するDIC患者を対象とした第3相臨床試験において,その有効性と安全性が確認されているが,消化器疾患に起因するDICに対するrTMの効果と有効性に関してはあまり知られていない.そこで今回われわれは,消化器疾患に起因したDICに対するrTMの効果と安全性について検討した.【対象と方法】当科で消化器疾患に起因したDICに対してrTMを投与した入院患者10例を対象とした.DICの診断は急性期DIC診断基準で行い,rTMの効果と安全性は,DIC離脱率(癌/非癌別のDIC離脱率)と,出血症状の経過で評価した.【結果】DIC患者10名の基礎疾患別の内訳は,消化器固形癌6例(食道癌1例,胃癌2例,膵癌2例,GIST1例)と非癌4例(腸管感染症2例,胆道感染症2例)であった.全症例のDIC離脱率は50.0% (5/10)で,投与期間の中央値は6.5日(範囲:2-13日)であった.基礎疾患別のDIC離脱率は,癌症例16.7% (1/6)に対し非癌例100.0% (4/4)と,癌症例でDIC離脱率が低かったものの,33.3%(2/6)で全身状態の改善が得られ,化学療法の導入が可能となった.またrTM投与した全例で出血症状の増悪を認めなかった.【結論】消化器疾患DICに対するrTMの投与では,基礎疾患別のDIC離脱率は非癌症例で特に有効であった.また全症例で出血症状の増悪はなく安全に投与できた.今回の検討で消化器固形癌症例でのDIC離脱率は低かったものの,消化管出血例はなく,rTMの投与により化学療法を導入できた症例も認めたことから,治療の選択肢の1つとして考慮してもよいと思われる. |
索引用語 | DIC, リコンビナントトロンボモジュリン |