セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他(医療総合1)

タイトル 消P-593:

当科における胃癌・大腸癌患者のCVポート使用状況と合併症

演者 那須野 央(札幌医大・1内科DELIMITER市立釧路総合病院・消化器内科)
共同演者 齊藤 真由子(札幌医大・1内科), 一色 裕之(札幌医大・1内科), 山本 英一郎(札幌医大・1内科), 能正 勝彦(札幌医大・1内科), 山下 健太郎(札幌医大・1内科), 有村 佳昭(札幌医大・1内科), 古畑 智久(札幌医大・1外科), 篠村 恭久(札幌医大・1内科)
抄録 【目的】皮下埋め込み型中心静脈ポート(CVポート)は,進行癌や術後に対する外来化学療法に有用であり,緩和治療にも用いることができる.一方,CVポートに関連した合併症には感染やカテーテル断裂,血栓形成などさまざまなものがある.今回われわれはCVポートの使用状況と合併症について検討した.
【方法】2010年1月から2012年10月の期間に新規に当科を受診した胃癌・大腸癌のうち,当院でCVポートを留置した35例(合計38回留置)を対象とし,診療録からretrospectiveにデータを収集した.
【成績】CVポート留置例35例の患者背景は,年齢中央値65歳(28-83歳),男性 / 女性が21 / 14例,胃癌 / 大腸癌が9 / 26例,CVポート留置目的は進行再発胃癌・進行再発大腸癌の化学療法目的が24例(69%),大腸癌術後補助化学療法目的が7例(20%),緩和治療目的が4例(11%)であった.合計38回のCVポート増設術におけるポート増設部位は,右前胸部が23回(63%),左上腕が14回(34%),左前胸部が1例(3%)であり,2012年4月以降では左上腕に留置する症例が多かった.合併症は,カテーテル断裂が1例,カテーテル逸脱が1例,ポート増設時の鎖骨下穿刺による気胸が1例,カテーテル感染2例,皮膚ポケット部位の感染が1例であった.
【結論】今回の検討期間では6 / 38例 (16%)のCVポート関連合併症が確認された.当科では最近左上腕へのポート留置症例が増えてきており,上腕留置のほうが前胸部留置よりも重大な合併症が少ない印象だが,さらに症例を集積し長期間フォローした検討が必要である.
索引用語 CVポート, 合併症