セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)その他(医療総合2) |
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タイトル | 消P-596:NST加算に伴う活動内容の変化からみたNSTの現状と将来への課題 |
演者 | 森安 博人(奈良県立五條病院・消化器病センター) |
共同演者 | 中西 啓祐(奈良県立五條病院・消化器病センター), 西村 典久(奈良県立五條病院・消化器病センター), 堀内 葉月(奈良県立五條病院・消化器病センター), 明石 陽介(奈良県立五條病院・消化器病センター), 竹田 幸祐(奈良県立五條病院・消化器病センター), 櫻井 伸也(奈良県立五條病院・消化器病センター), 松本 昌美(奈良県立五條病院・消化器病センター) |
抄録 | 【目的】2010年4月よりNST加算が新設され,算定要件として専従,専任者の設置が義務付けられた.当院では,加算算定を契機としてNST活動の質を向上させるために,専従者を中心とした新しい体制に改変した.今回,その効果を検証し,将来に向けた課題について検討したので報告する.【方法】2008~2011年度に当院NSTが介入した患者を対象とした.NST加算算定前(2008年4月~2010年3月)と加算算定後(2010年4月~2012年3月)に分けて回診患者数,新規介入患者数,介入時期,介入期間,患者背景,栄養状態の変化,短期予後について検討した.さらに,専従者の勤務状況等,活動体制の課題についても検討した.【結果】算定前後で回診患者数(前:16.2人/回,後:25.2人/回),新規介入患者数は(前:15.7人/月,後:6.7人/月)大幅に増加し,介入時期,期間も入院後1週間以内の介入が増加(55→69%)し1ヵ月以上の長期介入が減少した.患者背景では介入時のアルブミン値が加算後は高い(2.75→2.8g/dl)傾向があった. NST介入後のAlb値は在宅,施設移行患者では有意に増加したが,死亡患者では低下した.短期予後については,加算前後で死亡率に有意な差は認めなかったが,在宅,施設に移行する患者が加算後はより多い傾向にあった.専従者は勤務時間の95%以上をNST活動に費やしていた.【結論】加算算定を契機とした体制の改変によって,より早期に多くの栄養不良患者に対して介入できるようになり,NST活動の質向上につながったものと考えられた.その一方で専従者には過大な負担がかかっており,長期的には問題と考えられた.質の高い活動を永続的に行うためには,必要な仕事量に見合った人員の配置,職種ごとの役割分担,周辺スタッフのレベルアップ,事務作業軽減のための事務職員,医療事務補助員の活用など将来に向けた体制の構築が必要である. |
索引用語 | NST, NST加算 |