セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他(医療総合2)

タイトル 消P-599:

がん患者における栄養学的指標の有用性

演者 村山 洋子(市立伊丹病院・消化器内科)
共同演者 大内 祥平(市立伊丹病院・消化器内科), 小山 秀和(市立伊丹病院・消化器内科), 三浦 由雄(市立伊丹病院・消化器内科), 山口 典高(市立伊丹病院・消化器内科), 荻山 秀治(市立伊丹病院・消化器内科), 堀木 優志(市立伊丹病院・消化器内科), 佐野村 珠奈(市立伊丹病院・消化器内科), 佐治 雪子(市立伊丹病院・消化器内科), 山本 正之(市立伊丹病院・外科), 筒井 秀作(市立伊丹病院・消化器内科)
抄録 【背景と目的】当院では,平成18年4月よりNST稼動施設の認定をうけ,週に1回,院内NST活動をおこなっている.癌化学療法中は食事量低下に伴う栄養障害により治療効果が制限される.今回,切除不能・再発進行胃癌・膵癌において,小野寺らのprognostic nutritional index(PNI)値を含む栄養学的因子と治療成績の関連を検討した.【方法】2007年7月~2011年7月にNSTスクリーニングを行った進行膵癌(75例(男女比29:42,平均75歳)と進行胃癌(49例(男女比33:16,平均66.9歳)を対象にPNI値・Alb・総リンパ球数(TLC)を含む栄養学的因子と患者背景・治療成績の関係を年齢別(~64歳(A群),65~74歳(B群),75歳~(C群))に分けretrospective に検討した.【結果】膵癌では,Chemo群:BSC群間に,PNI(41.7±1.3: 34.4±1.0, P<0.0001), Alb (3.5±0.11: 2.8±0.08, P<0.0001)に有意差を認め,TLC (1386.9±96.4,1184.7±76.4, P=0.10)では有意差は認めなかった.また,stageI/II: III/IV群間のPNIとAlbには有意差は認めなかった.一方,A,B,C群間では,PNI(42,8±2.4, 38.1±1.5, 35.5±1.1 P=0.02), Alb(3.6±0.2, 3.1±0.1, 2.9±0.1 P=0.0079) と有意差を認めた.胃癌では,TS-1+CDDP群,他のChemo群間でPNI(40.3±1.8, 33.3±2.0, P=0.01), Alb(3.5±0.1, 3.0±0.1, P=0.0038) と有意差を認め,TLC(1372±90.7, 1287.7±2.0 P=0.545)では有意差は認めなかった.A,B,C群間ではPNI,Alb,TLCに有意差は認めなかった.累積生存率は,膵臓癌でPNI 38以上の群が,胃癌でAlb 3.0以上の群が他群に比し有意に生存期間が延長していた.【結論】膵癌・胃癌患者において,栄養学的因子と治療内容および累積生存率との関連が示された.以上より,癌患者に早期からNSTが関わる事で治療成績に寄与する可能性が考えられた.
索引用語 NST, 栄養学的指標