セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
その他(医療総合2)
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タイトル |
消P-600:当院におけるNST活動の介入実績とNST加算申請に伴う課題
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演者 |
土師 誠二(済生会中津病院・外科) |
共同演者 |
山内 一郎(済生会中津病院・糖尿病内分泌内科), 新谷 光世(済生会中津病院・糖尿病内分泌内科), 川口 純子(済生会中津病院), 山廣 芳枝(済生会中津病院), 安川 由香子(済生会中津病院), 仲尾次 雪乃(済生会中津病院) |
抄録 |
当院は778床を有する急性期病院で,NST(栄養サポートチーム)は2008年より活動を開始,病院長指示によるNST加算申請に伴い2010年9月からチームスタッフの再編とNST依頼対象患者の基準作成を行った.当院のNST活動は週1回の回診と症例カンファレンスからなり,定期的に院内勉強会を開催している.回診では中央検査部から送付される全入院患者のアルブミン値データをもとに,経口摂取量の減少,静脈栄養の3日以上継続,経腸栄養施行を栄養リスク症例としてNST依頼を主治医に呼びかけている.また,当院NSTの特色として,医療センター内に立地する当院とは別に自治体所管の老健施設が敷地内に併設しているため,認知症,衰弱,誤嚥性肺炎による急変など超高齢者をNST対象とすることも多い.さらに,NST加算申請に要する専従者は人的要因から摂食嚥下障害看護認定看護師が担当しており,症例カンファレンスも看護師を司会者として行なっている.2011年9月から2012年2月までの総カンファレンス数は227件,加算申請195件で,NST加算申請前の1年間と比較しても激増していた.しかしながら,回診時の依頼推奨に対して実依頼件数は30%程度で,主治医のNST依頼に対する心理的拒絶率は高かった.2011年9月以降の癌終末期患者を除くNST介入47例と介入拒絶44例を比較すると,在院死亡数/転院数はそれぞれ3例/13例,14例/1例と有意にNST介入症例で良好で,原疾患は異なるもののNST介入は主治医単独治療に勝るものと考えられた.また,NST加算はNST活動を統合,洗練化する動機付けとして非常に有用である一方,NST加算で得られた診療報酬は専従者の人件費を賄えるものではなく,NSTスタッフの増員が困難なことから部署内職員数の多い看護師が担うことが当院では現実的であった. |
索引用語 |
NST, NST加算 |