セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)その他(腹膜) |
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タイトル | 消P-604:当院における悪性腹膜中皮腫症例の臨床的検討 |
演者 | 仲本 学(琉球大附属病院・光学医療診療部) |
共同演者 | 宮里 公也(琉球大附属病院・光学医療診療部), 大平 哲也(琉球大附属病院・光学医療診療部), 小橋川 ちはる(琉球大附属病院・光学医療診療部), 武嶋 恵理子(琉球大附属病院・光学医療診療部), 平田 哲生(琉球大・1内科), 金城 渚(琉球大附属病院・光学医療診療部), 外間 昭(琉球大・1内科), 金城 福則(琉球大附属病院・光学医療診療部), 藤田 次郎(琉球大・1内科) |
抄録 | 【背景・目的】悪性腹膜中皮腫は比較的まれな予後不良疾患で,診断に難渋することも多く,また標準的治療法も確立されていない.今回我々は悪性腹膜中皮腫5例を経験したので,その背景や臨床経過等について検討を行った. 【対象・方法】2002年6月~2013年3月までに当院にて診断・加療を行った悪性腹膜中皮腫5例を対象に,背景,症状,検査,診断,治療,経過,予後等に関して検討した. 【結果】男性2例,女性3例で,平均年齢は57.2歳(26~81歳)であった.職歴および生活歴から石綿曝露が疑われた症例は2例であった.初発症状としては,腹部膨満感を全例に認め,腹痛1例,悪心・嘔吐1例,食思不振1例であった.全例とも診断時に腹水を認め,臨床病型は全例腹水型,肉眼型は全例びまん型であった.病理型は全例上皮型で,確定診断は開腹または腹腔鏡による組織診断が4例,腹水細胞診での診断が1例であった.腹水中ヒアルロン酸は全例で測定され,11900~725000 ng/mlで100000 ng/ml以上の高値を示したものが4例であった.画像では診断時に全例でCT,3例にPET-CTが撮影されていた.治療として全例に化学療法が行われ,化学療法単独が4例,化学療法後に手術が行われた症例が1例であった.化学療法の内訳としては1st lineとして,gemcitabine(GEM)+cisplatin(CDDP)全身投与が4例,CDDP+MMC(mitomycinC)腹腔内投与が1例であった.1st lineの治療効果としては4例に腹水減少を認め,画像上一時的でも腹水が消失した症例が3例であった.診断後の生存期間中央値は30か月(20か月~106か月)で,転帰は生存2例,死亡3例であった. 【結語】悪性腹膜中皮腫において,化学療法が施行可能な症例では比較的長期生存が可能であった. |
索引用語 | 悪性腹膜中皮腫, 化学療法 |