セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
その他1
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タイトル |
消P-610:一般消化器科医の超音波ガイド下鎖骨下静脈穿刺法の導入に関する検討
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演者 |
佐藤 洋(新潟大・消化器・一般外科) |
共同演者 |
飯合 恒夫(新潟大・消化器・一般外科), 野上 仁(新潟大・消化器・一般外科), 亀山 仁史(新潟大・消化器・一般外科), 中野 雅人(新潟大・消化器・一般外科), 若井 俊文(新潟大・消化器・一般外科) |
抄録 |
【目的】消化器領域に於いては,内科系・外科系を問わず,栄養・治療目的に中心静脈カテーテル(CV)の挿入を行う機会が多い.ブラインドで穿刺する鎖骨下静脈(SV)穿刺・CV留置はスタンダードである反面,気胸・動脈穿刺など,特有の合併症が存在する.Sakamotoらによると,これらの合併症は,超音波ガイド下SV穿刺法を用いると,その発生率が激減すると報告されている.しかし,超音波ガイド下穿刺は放射線科医が施行する施設が多く,一般消化器科医には広く普及していない.今回,超音波ガイド下SV穿刺法を一般消化器科医でも安全に導入可能かどうか,自験例を用いて検討した.【方法】穿刺法は2010年にSakamotoらが報告した方式に準拠し,穿刺は通常右側で行った.手技の概要は,患者の右肩の頭側にエコーを配置し,7.5MHzの体表プローベを滅菌カバーで被覆し,鎖骨下動脈を同定.その尾側前面に存在するSVを長軸で描出し,左手にてフリーハンド穿刺を行う.エコービームと面をずらさないように先端を確認しながらSVを穿刺し,穿刺針に血液逆流が観察されるところでエコーを外し,以後は通常通り挿入を行う手技である.2010年から2012年までに筆者が施行したSVポート造設 16例の患者を対象とした.【成績】3施設16人の患者に超音波ガイド下SCVポート造設を施行した.偽性腸閉塞を除く15例は消化器癌の患者であった.平均年齢は67(46-81)歳,男女比は10:6であった.平均BMIは20.6(13.9-34.8).平均手術時間は33分(19分-80分)であった.全例に留置成功し,気胸・動脈穿刺他合併症は0件であった.【結論】超音波ガイド下SV穿刺法は一般消化器科医にも習得が可能で,安全な手技であった.一般的なエコー以外の追加機材の購入が必要なく,病棟にてSV穿刺する際は超音波検査料も発生し,コスト面でのデメリットも小さい方法である.ブラインドでの穿刺が非常に困難な高度肥満症例でも問題なく挿入可能なため,手技の選択のひとつとして習得するメリットが大きいと考える. |
索引用語 |
超音波ガイド, 鎖骨下静脈穿刺 |