セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他2

タイトル 消P-618:

当院における消化器悪性腫瘍に対する皮下埋め込み式中心静脈ポート合併症の検討

演者 片山 政伸(済生会滋賀県病院・消化器内科)
共同演者 松本 寛史(済生会滋賀県病院・消化器内科), 岡島 達也(済生会滋賀県病院・消化器内科), 田中 基夫(済生会滋賀県病院・消化器内科), 重松 忠(済生会滋賀県病院・消化器内科)
抄録 【症例】50歳台女性.横行結腸癌(stage4)に対して皮下埋め込み式中心静脈ポート(以下CVポート)を右鎖骨下静脈に留置し,術後化学療法(FOLFOX)を施行中であった.化学療法開始後6ヶ月経過した時点で突然の右上肢全体の浮腫が出現した.胸部造影CTにてCVポートカテーテル周囲に血栓の付着を認めた.血液検査では凝固能の異常は認めなかった.肺梗塞の危険が高く,上大静脈にCVフィルターを留置し,血栓を吸引除去したうえでCVポートを抜去した.【考察】CVポートは大腸癌に対する化学療法であるFOLFOX療法やFOLFIRI療法の導入や在宅での緩和医療を目的に施行件数が増加している.今回2008年1月から2012年12月までに当院で消化器悪性腫瘍に対してCVポートを造設した症例111例の合併症について検討した.CVポートに関連した合併症は111例中6例(5.4%)であった.造設時の合併症として111例中3例(2.7%)で軽度の気胸を認めた.造設後の合併症としてポート抜去を必要とする症例は111例中3例(2.7%)であった.3例中1例は静脈血栓症,1例はカテーテル閉塞,1例は創部離開であった.抜去までの使用期間は各々6ヶ月,12ヶ月,3ヶ月であった.CVポートの合併症の頻度は5.7~17.1%との報告がある.CVポートのフィブリンシースによる閉塞の報告はあるものの,重篤な血栓症合併の報告は少なく,稀な合併症と考えられ,発生時の正確な診断と対処が求められる.
索引用語 皮下埋め込み式中心静脈ポート, 静脈血栓症