セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESD1

タイトル 内P-3:

内視鏡的粘膜切開剥離術(ESD)で切除した重複胃の1例

演者 橋本 貴史(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科)
共同演者 富田 夏実(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 岩沼 佳見(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 天野 高行(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 諌山 冬実(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 大内 一智(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 酒井 康孝(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 井上 裕文(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 國安 哲史(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 橋口 忠典(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 那須 元美(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 尾崎 麻子(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 斎田 将之(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 服部 友香(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 松森 聖(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 北野 裕巳(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 内田 隆行(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 柴本 峰彩子(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 鶴丸 昌彦(順天堂大附属順天堂医院・がん治療センター), 梶山 美明(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科)
抄録 我々は極めて稀な球状型非交通性非分離型の膵組織を伴う重複胃のESD切除例を経験したので報告する.【患者】39歳,男性.【現病歴】2010年5月の検診で胃粘膜下腫瘍を指摘された.2011年9月の再検で増大傾向を認め,2012年2月に当院消化器内科紹介受診となったが,悪性も否定できず当科紹介受診.【血液所見】GOT68IU/Uと軽度肝機能異常とCEA3.7ng/mlと軽度上昇の他には異常を認めなかった.【上部消化管造影】胃体下部大彎に立ち上がりなだらかな40mm大の隆起性病変を認めた.【上部消化管内視鏡】粘膜下腫瘍は軟らかく,表面の粘膜面は発赤調だが粘膜不整は認めなかった.【超音波内視鏡】粘膜下腫瘍は粘膜下層を主座とし,後方エコー増強を伴う円形の均一な低エコー腫瘤で内部に結節成分はなかった.【CT】胃体下部大彎に22mm大の内部均一な液体濃度を呈する境界明瞭な粘膜下腫瘍を認め,造影による増強効果はなかった.【MRI】粘膜下腫瘍はdynamic studyで粘膜に正常の増強効果を認めるのみで乏血性と考えた.【ESD所見】精査の結果,内視鏡的切除可能と判断しESDを施行.腫瘍は一部固有筋層に強固に付着していて,この部位で血管が豊富に存在し出血のコントロールに難渋したため付着部周囲を剥離した後,マスタースネアを用いて切除した.粘膜下腫瘍の一部遺残を認め,追加切除した(2分割切除).【病理所見】胃底腺領域の粘膜と粘膜下層組織が採取されていて,粘膜下層には不規則な平滑筋層がまばらに存在し,その深層には幽門腺型粘膜上皮で裏打ちされた嚢胞性病変を認めた.上皮に腫瘍性の変化は見られなかった.追加切除した検体には平滑筋,脂肪織と一部に胃底腺粘膜を含み,また膵腺房細胞と膵管からなる膵小葉構造を認め,膵組織を伴う重複胃と考えられた.
索引用語 重複胃, ESD