セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESD1

タイトル 内P-4:

胃管癌に対するESDの検討

演者 向笠 道太(久留米大・消化器内科DELIMITER久留米大・消化器病センター内視鏡診療部門)
共同演者 松尾 健(久留米大・消化器内科DELIMITER久留米大・消化器病センター内視鏡診療部門), 住江 博明(久留米大・消化器内科DELIMITER久留米大・消化器病センター内視鏡診療部門), 吉田 光(久留米大・消化器内科DELIMITER久留米大・消化器病センター内視鏡診療部門), 秋葉 純(久留米大・病理学), 渡辺 靖友(久留米大・消化器内科DELIMITER久留米大・消化器病センター内視鏡診療部門), 安元 真希子(久留米大・病理学), 鶴田 修(久留米大・消化器内科DELIMITER久留米大・消化器病センター内視鏡診療部門), 佐田 通夫(久留米大・消化器内科)
抄録 【背景】胃管癌は,再建法や癒着の影響などによって外科的な再手術が困難である.近年,早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(以下ESD:Endoscopic submucosal dissection)が普及しているが,胃管癌に対するESDの報告は少ない.【目的】胃管癌に対するESDの特徴や問題点を明らかにする.【対象と方法】2007年4月~2012年12月までの当院にてESDを施行した胃管癌11例について,ESDにおける切除前及び切除中,術後に分けて検討した.【結果】内訳は,平均年齢 70.5歳,男性10例,女性1例.胃管再建法は胸骨前胃管再建法 7例,後縦隔胃管再建法 4例.肉眼型は0-IIa型 4例,0-IIc型 5例,0-IIa+IIc型 1例,5型 1例,組織型は全例分化型癌,深達度はM 6例,MM 3例,SM2以深 2例であった.(1)切除前:拡張を必要とした食道・胃管吻合部狭窄の有無では,オーバーチューブ挿入困難例 5/11例 (45%),先端アタッチメント装着下の内視鏡挿入困難例 2/11例 (18%)であった.(2)切除中:粘膜下層線維化による剥離困難例 5/11例 (45%),穿孔 0/10例 (0%)であった.胃管であるため通常の胃と比較し管腔内が狭く,切離線が存在することがあり,また病変水没などにより難渋し,食道や切除胃のESDに類似した場面もみられた.(3) 術後:後出血 1/11例 (9%),活動性出血のない露出血管に対する止血術 2/11例 (18%),狭窄 1/11例 (9%)であった.【結語】胃管癌に対するESDは有用な治療法と考えられるが,高頻度に吻合部狭窄が存在することや,切除胃及び食道のESDに類似した環境を想定し,対応する必要があると思われた.
索引用語 胃管癌, ESD