セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESD2

タイトル 内P-7:

早期胃癌に対するEMR適応拡大prospective studyにおいて適応外病変となった症例の検討

演者 北 久晃(大阪厚生年金病院・内科)
共同演者 道田 知樹(大阪厚生年金病院・内科), 加藤 幹那(大阪厚生年金病院・内科), 加藤 穣(大阪厚生年金病院・内科), 日比野 千尋(大阪厚生年金病院・内科), 塩出 悠登(大阪厚生年金病院・内科), 村井 一裕(大阪厚生年金病院・内科), 甲斐 優吾(大阪厚生年金病院・内科), 城 尚志(大阪厚生年金病院・内科), 松村 有記(大阪厚生年金病院・内科), 武田 梨里(大阪厚生年金病院・内科), 西塔 民子(大阪厚生年金病院・内科), 河合 知代(大阪厚生年金病院・内科), 中田 悠紀(大阪厚生年金病院・内科), 千葉 三保(大阪厚生年金病院・内科), 前田 晃作(大阪厚生年金病院・内科), 内藤 雅文(大阪厚生年金病院・内科), 伊藤 敏文(大阪厚生年金病院・内科), 弓場 健義(大阪厚生年金病院・外科), 山崎 芳郎(大阪厚生年金病院・外科)
抄録 【目的】ESD導入時より開始された早期胃癌のEMR適応拡大に関するprospective study対象例において,適応外病変となった症例のESDの安全性と有効性を検討した.【方法】2006年4月から2012年12月にかけて当院にて施行された胃癌に対するESD 1037病変(ガイドライン適応(GL)病変637,適応拡大病変290,適応外病変110(11%))のうち,適応外となった110病変を対象とし,偶発症,非治癒因子,追加外科手術率,追加外科切除標本の病変遺残率およびリンパ節転移率,再発率,異時性多発病変発生率を検討した.【結果】非治癒切除110例(44~93歳(中央値70),男性86,女性24)の内訳は,SM2以深65例,31mm以上/SM1 8例,31mm以上/UL(+)20例,21mm以上またはUL(+)の未分化癌26例,脈管侵襲(+)34例,VM(+)20例,LM(+)14例であった(重複あり).偶発症は後出血5例(5%),穿孔10例(9%)で,穿孔頻度はGL/適応拡大病変の4.5%と比較して有意に高かった(p<0.01)が,緊急手術などの重篤合併症はなかった.110例中,70例(63%)で追加手術され,この中で局所遺残が7例(10%),リンパ節転移陽性が3例(4%)存在した.前者はLM(+),MP癌で有意に多く(p<0.01),後者は脈管侵襲(+)例に有意に多かった(p<0.05).経過観察された40例では遺残再発を認めず(観察期間中央値19ヶ月),手術例で1例遠隔転移を認めた(観察期間中央値24ヶ月).全体で原病死はこの手術例1例のみで,異時性多発病変は胃切除41例中1例(2%),非手術例中7例(18%)で,後者に有意に多かった(p<0.01).【結論】適応外病変ではESDのリスクは増加し,手術例ではLM(+),MP癌,脈管侵襲(+)で遺残やリンパ節転移が多かったが,長期成績で原病死は少なく,さらなるESD適応拡大の余地も考慮されると考えられた.
索引用語 ESD, 適応外病変