セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESD3

タイトル 内P-17:

胃ESD後潰瘍治療に対するイルソグラジンマレイン酸塩の併用効果

演者 宮原 良二(名古屋大・消化器内科)
共同演者 舩坂 好平(名古屋大・光学医療診療部), 大野 栄三郎(名古屋大・光学医療診療部), 中村 正直(名古屋大・光学医療診療部), 川嶋 啓揮(名古屋大・消化器内科), 伊藤 彰浩(名古屋大・消化器内科), 廣岡 芳樹(名古屋大・光学医療診療部), 前田 修(名古屋大・消化器内科), 渡辺 修(名古屋大・消化器内科), 安藤 貴文(名古屋大・消化器内科), 後藤 秀実(名古屋大・消化器内科DELIMITER名古屋大・光学医療診療部), 大橋 暁(名古屋掖済会病院・消化器科), 小林 真(市立四日市病院・消化器科), 大塚 泰郎(市立半田病院), 佐々木 洋治(江南厚生病院・消化器内科), 長屋 寿彦(東濃厚生病院・消化器内科), 宮田 章弘(小牧市民病院), 安藤 伸浩(名古屋セントラル病院・消化器内科), 山本 英子(豊橋市民病院・消化器内科), 久永 康宏(大垣市民病院・消化器内科)
抄録 【目的】胃ESD治療は,適応拡大症例に対しても積極的に行われ,低侵襲かつ高い治療効果が認められている.一方で,胃ESD後に発生する浅く大きい胃潰瘍に対する治療については,PPIに加えて防御因子増強剤が併用されることが多いが,その併用効果に関するエビデンスは少ない.イルソグラジンマレイン酸塩は,細胞間コミュニケーション活性化作用,抗炎症作用,胃粘膜血流量低下抑制作用により胃潰瘍治癒を促進するとされる.今回我々は,イルソグラジンマレイン酸塩の,ESD後潰瘍治療に対する治療効果を検討したので報告する.【方法】当院を含む10施設で,多施設共同前向き研究として行った.胃ESDを行った96例が登録され,術後潰瘍に対する治療を無作為にPPI単独群(45例)とPPIとイルソグラジンマレイン酸併用群(51例)に割り付けし,術後4週及び8週での術後潰瘍の状態を内視鏡検査で評価し,比較検討した.【成績】2群間での患者背景に差を認めなった.術後4週での潰瘍の瘢痕化率は,PPI単独群で5.13%,併用群で19.6%と有意差を認めた(P <0.05, chi-square test).また,瘢痕化していない症例についても,併用群で有意に高い縮小効果が認められた.術後8週では両群ともにほぼ全例で瘢痕化が確認された.【結論】イルソグラジンマレイン酸塩は胃ESD後潰瘍治療についての治療効果が認められた.
索引用語 胃潰瘍, 防御因子増強剤