セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESD4

タイトル 内P-19:

胃ESDにおけるEUSによる術前血管評価

演者 向井 伸一(市立三次中央病院・内科)
共同演者 趙 成大(市立三次中央病院・内科), 中村 真也(市立三次中央病院・内科), 阿座上 隆広(市立三次中央病院・内科), 高場 敦久(市立三次中央病院・内科), 濱田 敏秀(市立三次中央病院・内科), 平田 研(市立三次中央病院・内科), 中西 敏夫(市立三次中央病院・内科)
抄録 【目的】術中出血は胃腫瘍ESDの困難要因の一つであり特に体部病変において大量の動脈性出血を来し止血に難渋することを経験する.術中出血対策を念頭に術前にEUSでSM層の血管を描出しマッピングを作成,血管検出能を評価した.【方法】対象は2011年2月から2013年2月まで当院でESDを施行した胃腫瘍20例20病変(胃癌17例,腺腫3例,病変部位;U領域6例,M領域14例,肉眼型;O-I 1例,O-IIa 10例,O-IIc 9例,平均径19.7±8.2mm).術前の精査内視鏡検査時に細径プローブ(20MHz)による深達度評価に加えてSM層の血管を評価した.見上げ操作で病変周囲を含め約10mm間隔で細径プローブを走査撮影しほぼ病変全体を描出できた症例を解析の対象とした.SM層深部の径>0.5mmの類円型または棍棒状low echoを血管,またSM層,SS層に類円型のlow echoそれらに連続してMP層に断裂像を認める部位を穿通血管とした.2個のlow echoが隣接して描出された場合は併走する動静脈として1本の血管とした.これら血管についてEUS画像とサブモニターの内視鏡画像を対比し病変と血管の縦軸,横軸方向の位置関係を推定しマッピングを作成した.また背景胃粘膜の萎縮性胃炎を木村-竹本分類により分類した.ESD施行時に動脈性出血を来した血管,予防的止血処置を施行した血管を実在血管と定義しシェーマに記録,術前にマッピングした予測血管と実在血管の部位がほぼ一致するものを陽性とした.評価項目はEUSによる血管の検出率(%)【成績】20病変の実在血管は計95か所(動脈出血66か所,予防止血29か所),EUSによる血管の検出率40/95(42.0%).体上部~中部,前後壁の9例では23/38(60.5%).背景胃粘膜が木村-竹本分類open type IIIの高度萎縮6例では9/37(24.3%).【結論】体上部~中部,前後壁の病変で血管検出率は比較的高く穿通枝を予防止血した症例を認めた.背景胃粘膜の高度萎縮を伴う病変では血管検出率は低値であった.
索引用語 胃, ESD