セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESD4

タイトル 内P-20:

ピロリ除菌後3年目に発見しESDにて切除し得た微小粘膜下浸潤異時性胃癌の1例

演者 八木 直子(東京医大病院・消化器内科)
共同演者 後藤田 卓志(東京医大病院・消化器内科), 福澤 誠克(東京医大病院・消化器内科), 草野 央(東京医大病院・消化器内科), 八木 健二(東京医大病院・消化器内科), 野中 雅也(東京医大病院・消化器内科), 山本 圭(東京医大病院・消化器内科), 辻 雄一郎(東京医大病院・消化器内科), 佐藤 丈征(東京医大病院・消化器内科), 河野 真(東京医大病院・消化器内科), 植松 淳一(東京医大病院・消化器内科), 岸本 佳子(東京医大病院・消化器内科), 河合 隆(東京医大病院・内視鏡センター), 森安 史典(東京医大病院・消化器内科)
抄録 症例は70歳代,男性.既往歴なし.その他,家族歴含めて特記事項なし.10年前に胃体部小弯の0-IIa病変に対しESDにて一括切除を行った.切除結果はp0-IIa T1a(M) tub1,最大径58mm,pHM(-),pVM(-)で適応拡大治癒切除であった.その後,毎年上部消化管内視鏡検査にて経過観察していた.2009年に本人の希望にてピロリ除菌療法を施行した.3年後の2012年,胃体上部後壁に僅かな発赤を認め生検にてtub1と診断され,根治目的にてESDを施行した.切除後の病理結果は,p0-IIb T1a(SM1;20μm) tub1,5x5mm,pHM(-),pVM(-)の適応拡大治癒切除と判断した.本症例は初回の胃ESD後の5年目にピロリ除菌療法を施行し,さらに3年後に微小粘膜下浸潤異時性胃癌を発見した症例である.Lancet論文報告後,異時性胃癌の抑制を目的に早期胃癌に対するESD/EMR後のピロリ除菌療法がガイドライン(2009年)で示され,2010年には保険適応となり一般化している.しかし,萎縮性変化や腸上皮化生は初発の時点で完成していることが多く,異時性胃癌の早期発見を目的とした場合は今まで同様に慎重な経過観察が必要だと考える.今回我々は,ピロリ除菌後3年目に微小粘膜下浸潤異時性胃癌に遭遇したので文献的考察を併せて報告する.
索引用語 胃, ピロリ菌