セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-ESD5 |
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タイトル | 内P-23:ESDで一括完全切除された早期胃癌に併存していた胃Schwannomaの一例 |
演者 | 大杉 直人(済生会千里病院・消化器内科) |
共同演者 | 良原 丈夫(済生会千里病院・消化器内科), 真田 徹(済生会千里病院・消化器内科), 山口 大輔(済生会千里病院・消化器内科), 大田 真紀代(済生会千里病院・消化器内科), 水野 龍義(済生会千里病院・消化器内科), 後藤 靖和(済生会千里病院・消化器内科), 奥田 偉秀(済生会千里病院・消化器内科), 堀本 雅祥(済生会千里病院・消化器内科), 鈴木 都男(済生会千里病院・消化器内科), 小島 史好(済生会千里病院・病理診断科) |
抄録 | 【症例】 60代男性.血液検査でCEAの上昇を認めたため上部内視鏡検査を施行したところ胃体下部前壁に0-IIa+IIc病変を認め,生検では高分化型腺癌であった.このため当科入院となりESDを施行.ESD切除標本の病理組織では,高分化型腺癌,tub1>tub2,pT1a(M),ly0,v0,HM0,VM0で腫瘍は断端陰性で完全切除されていたが,腫瘍の下の粘膜下層に径1.5mmの境界明瞭な腫瘤を認めた.腫瘤は紡錘形細胞が錯綜し,好酸球浸潤を伴っていた.これに対し追加の免疫染色を行ったところ,S100蛋白がびまん性に陽性となり,α-SMA,CD34,c-kitは陰性で,Schwannomaの診断となった.術後経過は良好で第8病日に退院となり,退院後同部位に対しEUSを施行したが,粘膜下に異常は認めなかった. Schwannomaは末梢神経のSchwann細胞から発生する腫瘍であり,原発巣の約90%は第8脳神経であるが,胃などの消化管から発生することもある.胃SchwannomaはAuerbach神経叢より発生する腫瘍であり,胃粘膜下腫瘍のうち6.2~7.1%を占め,中には悪性のSchwannomaも報告されている.本症例のように早期胃癌のESD切除標本に粘膜下腫瘍が混在することもあるため,壁深達度診断および粘膜下腫瘍のスクリーニング目的にESD前には全例EUSを施行することが有用であると考えられた.早期胃癌のESD切除標本にSchwannomaが併発していたという報告はなく,若干の文献的考察を加え報告する. |
索引用語 | ESD, Schwannoma |