セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-ESD5 |
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タイトル | 内P-24:幽門部病変に対するESD症例の検討 |
演者 | 松尾 英城(県立奈良病院・消化器内科) |
共同演者 | 藤永 幸久(県立奈良病院・消化器内科), 才川 宗一郎(県立奈良病院・消化器内科), 澤田 保彦(県立奈良病院・消化器内科), 神戸 大介(県立奈良病院・消化器内科), 下里 直隆(県立奈良病院・消化器内科), 永松 晋作(県立奈良病院・消化器内科), 丸山 直樹(県立奈良病院・消化器内科), 中谷 敏也(県立奈良病院・消化器内科), 菊池 英亮(県立奈良病院・消化器内科), 田村 智美(県立奈良病院・中央臨床検査部), 関川 進(県立奈良病院・中央臨床検査部), 森本 有加里(西奈良中央病院) |
抄録 | 【目的】ESDの登場により,従来のEMRでは困難であった幽門部病変も,確実に一括切除できるようになった.しかし,幽門部病変では,切除後潰瘍の治癒に伴う術後狭窄の問題が存在する.当院における幽門部病変に対するESD症例について検討したので報告する.【方法】対象は2004年12月~2013年3月に胃上皮性腫瘍に対してESDを施行した437病変(男性333例・女性104例,年齢71.9±9.1歳)のうち,幽門部病変の15例である.なお,幽門部病変とは,病変の肛門側端が幽門輪より10mm以内のものと定義した.術後狭窄に対しては,内視鏡で観察して狭窄傾向がみられた時点で,予防的に内視鏡的バルーン拡張術を適宜施行した.【結果】幽門部病変の15例は,全例完全一括治癒切除であった.9例で球部内反転を要し,6例は胃側からのアプローチのみで切除した.球部内反転した病変を,幽門輪を切除した範囲により分類すると,1/2周が3例,2/3周が4例,3/4周が1例,4/5周が1例あり,そのうち拡張術を要したものはそれぞれ1例(1/3)・2例(2/4)・1例(1/1)・1例(1/1)であった.拡張した時期は術後21~107日で,最大4回の拡張術を要し,拡張術により偶発症を生じた症例はなかった.なお,球部反転しなかった例においては,全例で拡張術は不要であった.狭窄予防のため,術直後の切除面に残存する下層組織にトリアムシノロン40mgを5例に局注し,4例(4/5)で拡張術は不要であった.【結語】幽門部病変の術後狭窄症例の特徴を認識し,拡張必要な症例・時期を適切に推測して対処する必要がある.また,トリアムシノロンの局注は術後狭窄の予防に有効である可能性が示唆された. |
索引用語 | ESD, 幽門部 |