セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESD5

タイトル 内P-28:

胃癌ESD症例での異時多発症例の検討

演者 鈴木 洋司(山梨県立中央病院・消化器内科)
共同演者 小嶋 裕一郎(山梨県立中央病院・消化器内科), 石田 泰章(山梨県立中央病院・消化器内科), 川上 智(山梨県立中央病院・消化器内科), 久野 徹(山梨県立中央病院・消化器内科), 深澤 佳満(山梨県立中央病院・消化器内科), 岩本 史光(山梨県立中央病院・消化器内科), 廣瀬 純穂(山梨県立中央病院・消化器内科), 細田 健司(山梨県立中央病院・消化器内科), 望月 仁(山梨県立中央病院・消化器内科), 小俣 政男(山梨県立中央病院・消化器内科), 小山 敏雄(山梨県立中央病院・病理)
抄録 [背景] 当院では2002年より胃ESDを施行している. H.pyloriの除菌で胃癌再発を抑制するが,異時多発症例にも遭遇し,その臨床的特徴は明らかでない.[目的] 2003年から2012年までの治療成績を分析し 異時多発症例の特徴と問題点及び H.pylori除菌後の再発胃癌の特徴を明らかにする.[対象] 2003年から2012年の10年間に施行した628病変( 581症例 )と異時多発を認めた48病変を検討した.[結果]全症例の一括切除率は89.8%で穿孔率は3.72%で,2009年度からは一括切除率は97%以上であった.異時多発症例は48症例で男性42例,女性6例で平均年齢は74,1±8.9歳,平均腫瘍径は長径13.6±10.7mm,短径9,2±6,5mmであった.再発までの期間は1年未満16例,1年以上2年未満12例,2年以上3年未満4例,3年以上4年未満8例,4年以上5年未満が6例で5年以上は7例であった.再発時の進行癌症例は4例であった.2008年から2012年までのH.pyloriとの関連では感染が存在していた症例は20例,感染がない症例は7例,未検索は21例で,除菌済みの症例は16例であった.異時多発症例はP=0.012と男性に有意に多いが,H.pyloriとは有意差はなかった.H.pylori除菌後の全異時多発癌症例は16例で男性15例,女性1例であり,U領域6例,M領域9例,L領域1例と殆どがU,M領域に存在していた.肉眼型では∥a7例,∥c 9例と陥凹型が多かった.[結語] ESD術後経過観察期間は,5年間は必要であり,異時多発因子では有意に男性に多い.H.pylori除菌後の異時多発癌はU,M領域に多く陥凹型が多い傾向にあると考えられた.
索引用語 胃癌ESD, 異時多発症例