セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESD偶発症2

タイトル 内P-36:

狭窄予防目的にsteroidを全身投与した胃および大腸ESD症例8例の報告

演者 赤松 尚明(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科)
共同演者 茂森 賢太(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科), 三宅 隼人(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科), 全 圭夏(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科), 楊 孝治(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科), 森沢 剛(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科), 石川 博己(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科)
抄録 【目的】食道における亜全周性以上のESDでは術後狭窄が問題となる.従来は予防的バルーン拡張を行う施設が多かったが,より狭窄予防効果を期待してsteroid局注療法が考案された.ただし煩雑な手技を要する.一方,steroid全身投与は特別な技術を必要としないものであり,最近多施設から報告されている.近年,胃ESDにおいても噴門部や幽門部で術後狭窄の報告が認められる.大腸においては亜全周切除であっても強い狭窄を呈しがたいとされてきたが,直腸での術後狭窄の発生も報告された.今回,狭窄予防目的にsteroid全身投与を行った.【対象】2012年1月より胃噴門部・幽門前庭部,大腸ESDにおいて周在性60%を超える切除を行った症例.胃幽門前庭部ESDの6例と,噴門部ESDの1例,下行結腸ESDの1例(周在性62.5%~100%).【方法】静岡がんセンターの食道ESD狭窄予防の方法に準じた.ESD翌々日からデカドロン注を8mgを生理食塩水100mlにて希釈し3日間投与,ESD後5日目からプレドニンを30mg→20mg→10mgと各々7日間,計21日間経口投与.【結果】治癒遅延に伴うsteroid投与後の後出血は認めなかった.ESD後約1ヵ月で観察した.変形は極めて微小であった.1例を除き目立った副作用も生じなかった.1例は化膿性脊椎炎が生じた.【考察】その適応については更なる検討を要するが,文献とも併せ胃においては周在性75%以上の切除においてsteroid全身投与を考慮すべきであろうと考える.
索引用語 ESD後狭窄予防, ステロイド