セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-ESD工夫1 |
---|---|
タイトル | 内P-40:治療困難部位に対する把持鉗子を用いた胃ESDの有用性 |
演者 | 柏木 和弘(慶應義塾大・内視鏡センター) |
共同演者 | 細江 直樹(慶應義塾大・内視鏡センター), 諸星 雄一(横浜市立市民病院・消化器内科), 井田 陽介(埼玉社会保険病院・内科), 市川 仁志(東海大八王子病院・消化器内科), 米野 和明(埼玉医大・総合診療内科), 山岡 稔(埼玉医大・総合診療内科), 筋野 智久(埼玉医大・総合診療内科), 芦谷 啓吾(埼玉医大・総合診療内科), 大庫 秀樹(埼玉医大・総合診療内科), 緒方 晴彦(慶應義塾大・内視鏡センター), 中元 秀友(埼玉医大・総合診療内科), 今枝 博之(埼玉医大・総合診療内科) |
抄録 | 【目的】胃ESDは適応拡大病変にも広がり標準治療となったが,病変の部位によっては近接が困難なことがある.今回,把持鉗子を用いたcounter tractionによるESDの有用性を検討した.【方法】オーバーチューブを留置し,デュアルナイフを用いて病変周囲を切開したのちにスコープを一旦抜去した.鉗子口内に通した把持鉗子(内把持鉗子)でスコープとは独立した把持鉗子(外把持鉗子)の根元を把持したまま,スコープを再挿入した.外把持鉗子で病変を把持後,内把持鉗子をリリースした.外把持鉗子には病変の把持を保持できるロックを備えているため,助手が保持する必要はない.通常の把持鉗子でも手元をクリップでロックすることにより保持しえた.外把持鉗子で病変を口側に牽引し粘膜下層を展開した状態で剥離した.近接が困難な体上部大彎病変,体下部小彎や胃角小彎をまたがる病変,幽門輪にかかる病変に対して施行した.体上部大彎,体下部から胃角小彎では病変の肛門側を,幽門輪にかかる病変では病変の口側を把持した.【成績】体上部大彎病変ではマルチベンディングスコープでも近接が困難な病変に対して近接が可能となった.体下部から胃角小彎の病変では通常のスコープでは近接がしばしば困難であるが,本法により近接が容易となり,牽引しすぎた場合には把持鉗子を押し込むことにより病変に近接できた.幽門輪にかかる病変では極細径スコープを球部内で反転してプレカッティングナイフを用いて切開したのちに,Q260Jで胃側から剥離をすすめてから口側を把持牽引することで球部側が胃内へ牽引され剥離が容易となった.【結論】把持鉗子を用いたcounter tractionにより,治療困難部位に対して病変に近接して粘膜下層を確実に剥離でき,有用であった. |
索引用語 | 胃ESD, 把持鉗子 |