セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESD工夫1

タイトル 内P-42:

胃治療困難例に対する手技の工夫 ―ESDから全層切除へ-

演者 竹内 弘久(杏林大・外科)
共同演者 阿部 展次(杏林大・外科), 大木 亜津子(杏林大・外科), 正木 忠彦(杏林大・外科), 森 俊幸(杏林大・外科), 杉山 政則(杏林大・外科)
抄録 (背景/目的)治療困難病変(標準手技で切除完遂や一括切除が困難な病変)に対する内視鏡的切除術(ESDなど)は,難易度が高く,手技の工夫が必要とされる.我々は,内視鏡先端フードに把持鉗子が通るアウターシースを外付け一体型とした(外付け把持鉗子が容易に装着でき,胃内で容易にデタッチする工夫をこしらえた)フードを開発し,治療困難病変に応用している.本フードを使用した,治療手技と成績を供覧する.(対象/方法)胃治療困難病変13例(癌:8例,GIST:5例).1) 標準手技では治療困難な状況下でフードを装着,アウターシース内に挿入した鉗子で病変を把持.2)内視鏡の首をふりフードとアウターシースを分離.3)鉗子でトラクションを掛けながら病変切除する.(結果)全例で,EMRによる分割切除に移行せず完遂した(GIST症例において2例は筋層切除,3例は全層切除を付加).治療時間は平均146分.偶発症は後出血を1例とGIST全層切除の1例において,内視鏡下では穿孔部を閉鎖できず,腹腔鏡下にて閉鎖した.術後重篤な状況に陥った症例は,認めず.術後在院日数は平均8日間.さらに, GIST全層切除の1例においては,本フードを使用することで,胃壁閉鎖が,確実/容易に行えた.(考察/結論)本フードは,治療困難病変に対するトラクションに有効なデバイスであり,完全内視鏡的全層切除可能性も展望された.
索引用語 治療困難病変, 内視鏡的全層切除