セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESD工夫2

タイトル 内P-45:

ESD後病変回収困難例における工夫 ~袋を用いた病変回収法について~

演者 猪股 芳文(JR仙台病院・消化器科)
共同演者 及川 圭介(及川医院), 斎藤 真弘(JR仙台病院・消化器科), 内山 志保(JR仙台病院・消化器科), 安倍 修(JR仙台病院・消化器科)
抄録 【目的】現在,内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)後の病変回収用具は,三脚型・五脚型把持鉗子や回収ネットが主流である.正確な病理組織診断の為には病変の一括回収が望ましいが,粗大隆起性病変の中には従来の回収用具による一括回収に難渋する病変がある.我々は,亜有茎性の粗大な0-I型早期胃癌をESDにて切除し,ビニール袋を用いて回収し得た症例を経験し,その後腹腔鏡下手術用臓器収納袋を用いた回収法を試みている.粗大隆起性病変以外にも,脆弱な病変の回収に有用と考えられ,その回収手順について概説する.【方法】回収手順は,1)オーバーチューブを留置する.2)病変切除後に胃内の粘液を十分吸引し,条件を整える.3)あらかじめ,袋の口を捲り袋の大きさを調節すると同時に袋の口に腰を与える.4)鉗子口を通した把持鉗子で袋の内部を把持し,把持鉗子に袋を巻き付ける.5) 袋を巻き付けた把持鉗子を,スコープと共にオーバーチューブを通して慎重に胃内へ挿入する.6)袋内を把持していた把持鉗子や,スコープ操作により袋の口を開口させる.7)把持鉗子や体位変換を用いて袋内へ切除した病変を収納する.8)袋の口を閉じるように把持し,袋の一部を慎重にオーバーチューブ内まで引き込む.9)オーバーチューブとともに抜去する.胃内における袋の開口の可否が,回収の難易度に大きく影響するため,その準備として手順3)および4)のような工夫が重要である.【結論】袋を用いた病変回収法は,従来の回収用具では一括回収に難渋する粗大隆起性病変や,脆弱な病変の一括回収に有用であると考えられる.
索引用語 ESD, 病変回収