セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
胃-ESD工夫2
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タイトル |
内P-46:治療困難病変に対する工夫-マルチベンディングスコープの使用経験-
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演者 |
平嶋 勇人(宇都宮記念病院DELIMITER会津中央病院・消化器病センター) |
共同演者 |
宇賀司 良平(会津中央病院・消化器病センター), 千葉 宙門(会津中央病院・消化器病センター), 平嶋 勇希(平嶋胃腸科外科医院), 岩尾 年康(会津中央病院・消化器病センター) |
抄録 |
【背景】早期胃癌に対するESDは今や一般的手技となっており,当院においても2007年より本格的に導入し,現在では適応拡大病変も含め,積極的に導入・施行している.一括切除率97.5%(156/160,GL 99.1%(113/114),適拡93.5%(29/31),適外93.3%(14/15))であった.一括完全切除率は96.8%(155/160,GL 99.1%(113/114),適拡90.3%(28/31),適外93.3%(14/15))であった.治癒切除率は88.8%(142/160,GL 99.12%,適拡 87.1%)であった.全国レベルと比しても遜色ないと思われるが,残念なことに非治癒症例も存在した.【目的】1.治療困難な病変・要因を明確にし,2.その打開策を明確にする.【対象と方法】2008年4月から2012年1月に当院で施行した上部消化管ESD 242例の内,残胃を含む早期胃癌160例を対象とした.その中で手技的に非治癒となった,組織型,ly,v,深達度の要素を除いた,LM陽性,VM陽性例による非治癒例について検討した.【結果】対象症例は6例(3.7%)であった.そのすべてが体部小湾に潰瘍瘢痕を伴うm癌であり,病変部への近接不能例であった.瘢痕合併は全体で26例(16%)であったが,U・L領域の瘢痕合併例ではLM・VM陽性例による非治癒はなかった.【結論】瘢痕合併自体は,難易度は高いが部位によっては(近接可能な部位),一括切除は可能であった.体部小湾,特に体中部から体下部小湾にかかる瘢痕症例で,近接不能となることが多く,治療困難病変と言える.瘢痕部を適切に処理するためには,いかに近接するかが最大の要素であると考えられる.そのため扁平バルーンや用手的な圧迫,空気量の調整などの方法が行われているが,マルチベンディングスコープによる近接法は非常に簡便であり,処置具の2チャンネルもメリットが高い.当院における2チャンネルマルチベンディングスコープでの体部小湾瘢痕合併病変に対するESD方法を供覧させて頂く. |
索引用語 |
ESD, 困難 |