セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESD治療成績1

タイトル 内P-50:

ESD後再発胃癌の検討~適応拡大例と非治癒切除例について~

演者 小平 純一(恵佑会札幌病院・消化器内科)
共同演者 山本 桂子(恵佑会札幌病院・消化器内科), 穂刈 格(恵佑会札幌病院・消化器内科), 塚越 洋元(恵佑会札幌病院・消化器内科), 西田 靖仙(恵佑会札幌病院・外科), 細川 正夫(恵佑会札幌病院・外科)
抄録 【目的】ESDの普及と病理学的な検討を背景に早期胃癌に対する内視鏡治療の適応が拡大されつづけており,適応外病変に対して姑息的治療が行われることもある.これらガイドライン絶対適応を超えた早期胃癌ESD施行例の再発形式と対策を明らかにすること.【方法】2004年から2011年に当院でESDが施行された早期胃癌833例1010病変を病理台帳から抽出した.このうち当院で1年以上経過観察が行われた適応拡大治癒切除245例260病変と非治癒切除46例47病変(追加外科手術例は除外)の術後経過を追跡した.【成績】適応拡大治癒切除群245例からは,平均観察期間40.3ヶ月で2例の局所再発がみられた.初回治療時ともに分化型m癌であったが,再発時(12ヶ月と25ヶ月後)には開放性潰瘍を伴うsm癌であり,再内視鏡治療では根治不能であった.いずれも食道癌術後再建胃管再発で希少例の可能性がある.非治癒切除群46例からは,平均観察期間40.9ヶ月で局所再発が3例,リンパ節転移が2例および肝転移が1例に認められた.再発6例中3例は,治療後1年以内に診断されたが,3例は比較的長期間を要した.うちリンパ節転移2例は,治療38ヶ月後と48ヶ月後に経時的変化からCTで疑診とされ,PETで質的診断を行った.いずれも分化型sm癌であったが,筋板からの浸潤距離は比較的浅く(250μmと600μm),脈管因子陰性であり,原発巣に遺残は認められなかった.【結論】やや少数例での検討ではあるが,局所再発,リンパ節転移,遠隔転移ともに診断確定までに要する期間は様々であった.内視鏡治療後の再発早期診断のためには,初期に密な経過観察を行うだけでは不十分であり,長期間の経過観察が必要と考えられた.
索引用語 早期胃癌, ESD後再発