セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESD治療成績1

タイトル 内P-51:

胃癌ESD後の再発形式に関わる因子の検討

演者 吉田 貴史(山梨大・1内科)
共同演者 大高 雅彦(山梨大・1内科), 山口 達也(市立甲府病院・消化器内科), 小林 祥司(市立甲府病院・消化器内科), 浅川 幸子(山梨大・1内科), 末木 良太(山梨大・1内科), 小馬瀬 一樹(山梨大・1内科), 植竹 智義(山梨大・1内科), 大塚 博之(市立甲府病院・消化器内科), 佐藤 公(山梨大・1内科), 河口 賀彦(市立甲府病院・消化器内科), 藤井 秀樹(山梨大・1外科), 榎本 信幸(山梨大・1内科)
抄録 【背景】早期胃癌に対するESDは保険収載され,現在急速に普及している.2010年10月胃癌治療ガイドライン第3版では適応の拡大が示唆されているものの,その長期予後や再発に関しては充分な議論がなされていないままである.
【目的】早期胃癌に対するESD後の再発形式とそれに関わる因子を検証する.
【方法】2000年3月から2011年12月まで当院で早期胃癌に対してESDを施行した348例を対象とした.
【結果】ESD後の病理学的所見で分類した対象病変の内訳は,絶対適応病変178例,適応拡大病変122例(2cmを超えるUL(-)分化型pT1aが56例,3cm以下のUL(+)分化型pT1aが40例,3cm以下の分化型SM1が20例,2cm以下UL(-)未分化型pT1aが6例),適応外病変48例であった.このうち37例に対して追加胃切除を施行(適応外病変26例,適応拡大病変9例,絶対適応病変2例),それ以外の症例に関しては経過観察を行った.ESD後の経過観察は切除後1ヶ月で内視鏡を行い,以後絶対適応病変は1年毎の内視鏡,適応拡大病変および適応外病変に関しては,最初3年間は半年毎の内視鏡検査とCT検査,以後は1年毎の内視鏡検査とCT検査を行った.再発形式としては,局所再発が7例(絶対適応病変1例,適応拡大病変6例),リンパ節転移での再発が1例(適応外病変)であった.再発に関わる因子を単変量及び多変量解析で検討したところ,腫瘍径(2cm以上)と脈管侵襲の有無で優位差を認めた.また,追加胃切除を施行した症例のうち,リンパ節転移を認めたものは3例であり,いずれも適応外病変であった.異時性多発に関しては20例に認めた.異時性多発に関わる因子に関しては優位差を認めるものはなかった.
【結論】ESD後の局所再発に関わる因子として,腫瘍径(2cm以上)が抽出された.リンパ節転移に関わる因子としては脈管侵襲陽性であることが抽出された.発表時にはさらなる症例を蓄積して報告する.
索引用語 胃癌, ESD