セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-ESD治療成績2 |
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タイトル | 内P-54:当院における早期胃癌に対するESD治療成績の検討 |
演者 | 滋野 聡(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科) |
共同演者 | 西山 範(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 阿部 友太朗(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 井上 貴功(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 大西 幸作(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 岩谷 修子(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 井上 浩一(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 澁川 成弘(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 石井 修二(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 葛下 典由(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 春名 能通(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科), 井上 敦雄(大阪府立急性期・総合医療センター・消化器内科) |
抄録 | 【背景・目的】胃癌治療ガイドラインでは,生命予後に関して適応拡大ESDが外科切除と同等以上の成績が得られるならば,今後標準治療がESDとなり得るとされる.当院で施行した早期胃癌ESD症例の患者背景,予後を明らかにし,現行のガイドラインの妥当性を検討する.【方法】2007年1月から2012年3月までに当科でESDを施行した早期胃癌262症例を対象とした.術後病理結果での適応病変は133例(51%),適応拡大は66症例(25.0%),適応外は63症例(24%)あり,これらの患者背景,予後につき検討を行った.予後については観察期間12カ月以上のものを対象とした.【結果】全症例における追跡率は77%であった.合併症として穿孔例を13例(5%),出血例を23例(9%)に認めた.適応病変の平均観察期間は33.6カ月で,生存率は97%であった.死亡例は2例で,うち胃癌死はなかった.適応拡大の平均観察期間は34.2カ月で,生存率は100%であった.4例に異時性多発癌を認め,いずれも胃切除またはESDが施行可能であった.適応外の平均観察期間は37.1カ月で,生存率は90%であった.死亡例は3例で,うち1例に胃癌死(異時性多発癌)を認めた.適応外ESD後に胃切除を施行した23例のうち,3例(13%)にリンパ節転移を認めた.適応外ESD後に経過観察となった7例の生存率は100%で,経過観察理由として1例(15%)が耐術能不良,6例(85%)が手術拒否であった.適応外ESD後の手術施行率は対照群(79歳以下)で91%であったのに対して,超高齢者群(80歳以上)で29%と有意に低かった.【結論】更なる観察期間を要するものの,適応拡大病変においても適応病変と同等の良好な術後成績が得られており,今後適応拡大病変はESDが標準治療となる可能性が示唆された.また,術後の病理結果が適応外となった症例のうち,高齢者や合併症のため手術加療が困難な症例において短期間の胃癌死は認めなかった. |
索引用語 | 早期胃癌, ESD |