セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-ESD治療成績3 |
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タイトル | 内P-58:当院における瘢痕併存早期胃癌に対するESDの治療成績 |
演者 | 向 克巳(鈴鹿中央総合病院・消化器内科) |
共同演者 | 熊澤 広朗(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 竹内 俊文(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 磯野 功明(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 田中 宏樹(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 新田 真吾(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 松崎 晋平(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 佐瀬 友博(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 岡野 宏(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 齊藤 知規(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 馬場 洋一郎(鈴鹿中央総合病院・病理診断科), 村田 哲也(鈴鹿中央総合病院・病理診断科) |
抄録 | 【目的】今回我々は,当施設での瘢痕併存早期胃癌に対するESDの治療成績について検討を行った.【方法】2004年8月より2013年1月までに早期胃癌ESDを施行した487例518病変で検討を行った.潰瘍瘢痕を伴う75病変(UL+群)を対象とし,潰瘍瘢痕を伴わない残る443病変(UL-群)と治療成績や偶発症について比較検討を行った.UL+は,内視鏡的に潰瘍もしくは壁集中を認めるか,剥離時に粘膜下層の線維化が高度である病変とした.【成績】平均腫瘍径はUL+群20.3mm,UL-群14.3mm,平均切除径はUL+群42.0mm,UL-群33.9mm,平均切除時間はUL+群73.0分,UL-群39.3分でそれぞれUL+群で大きい値であった(p<0.001).一括切除率はUL+群73.3%(55/75),UL-群95.5%(423/443),完全一括切除率はUL+群58.7%(44/75),UL-群90.5%(401/443)で共にUL+群で低い値であった(p<0.001).ESD時に病変内に切り込みや挫滅を認めた症例はUL+群13.3%(10/75),UL-群0%(0/443)で,また,適応外病変はUL+群20.0%(15/75),UL-群6.8%(30/443)であり,共にUL+群で多い値であった(p<0.001).病変内に切り込みや挫滅を認めた症例は全例フォローとなっているが現在のところ局所再発は認めていない.偶発症についての検討では,緊急内視鏡の必要な後出血の頻度はUL+群4.0%(3/75),UL-群2.3%(10/443) 穿孔率はUL+群2.7%(2/75),UL-群0.7%(3/443)で共にUL+群で高い値であったが有意差はなかった.【結論】UL+群の一括切除率と完全一括切除率はUL-群に比べ低い値であった.これは,病変内に切り込みや挫滅を認めた症例と適応外病変がUL+群に多いことが原因と考えられた.しかし,偶発症についてはUL+群とUL-群の間に有意差はなかった. |
索引用語 | ESD, 瘢痕 |