セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESD治療成績3

タイトル 内P-60:

当院における早期胃癌適応外病変に対するESD短期予後の検討

演者 川上 武志(帯広厚生病院・消化器科)
共同演者 吉田 晃(帯広厚生病院・消化器科), 深谷 進司(帯広厚生病院・消化器科), 一箭 珠貴(帯広厚生病院・消化器科), 菊池 英明(帯広厚生病院・消化器科)
抄録 【はじめに】早期胃癌の治療として開発されたESDは外科的胃切除と比較し侵襲が少なく,胃の機能を温存出来る事,詳細な病理学的検討が可能な事などの利点がある.これに伴い,日本胃癌学会ガイドライン適応外病変に対するESD施行例も増加している.【目的】当院における日本胃癌学会ガイドライン適応外病変に対するESD短期予後を検討すること.【対象と方法】2008年5月から2012年12月までに当院で早期胃癌の診断にてESDを施行し,最終病理診断でガイドライン適応外病変と診断した18例18病変(以下適応外群)と,同時期にESDを施行し,最終病理診断でガイドライン適応病変(適応内病変および適応拡大病変)と診断した177例231病変(以下適応群)の短期予後を比較検討した.年齢中央値は適応外群74歳(59-87歳),適応群73歳(43-91歳).男女比は適応外群 男:女=14:4,適応群 男:女=135:42,切除した腫瘍長径中央値は適応外群27mm,適応群12mmであった.【検討項目】1.一括完全切除率,2.手術時間中央値,3.偶発症発生率(後出血,穿孔,肺炎),4.追加外科切除率【結果】1.一括完全切除率 適応外群77.8%(13/18),適応群94.3%(178/231).2.手術時間中央値 適応外群68.5分,適応群37.0分.3.偶発症発症率 後出血:適応外群5.8%(1/18),適応群3.0%(7/231),穿孔率:適応外群0%,適応群0.9%(2/231),肺炎:適応外群0%,適応群0.9%(2/231).4.追加外科切除率は66.7%であった.【結論】当院におけるガイドライン適応外病変に対するESDは,一括完全切除率及び手術時間は適応群に比べやや劣る傾向にあるが,偶発症の発生率は適応群と大きな差が無く,外科的切除が困難な合併症を有する症例に対する姑息的な治療として成立する可能性があると考えられた.
索引用語 早期胃癌, ESD