セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESD治療成績3

タイトル 内P-61:

早期胃癌ESDにおける術前適応設定と最終診断の解離

演者 柳井 秀雄(国立関門医療センター・臨床研究部)
共同演者 中鉢 龍徳(国立関門医療センター・消化器内科), 仙誉 学(国立関門医療センター・消化器内科), 原野 恵(国立関門医療センター・消化器内科), 坂口 栄樹(国立関門医療センター・消化器内科)
抄録 背景: 胃ESDにおいて,その期待される効果を予測する事は,説明同意において重要である.方法: 演者らは,以前の予備的検討(Gastrointest Endosc 2004;60:771-7)の結果から,胃EMR, ESDの術前適応を,生検組織分類・EUS深達度分類により,術前良悪性境界領域病巣(Group III-IV, 2-4)・術前根治的適応(生検分化型かつEUS-M)・術前診断的適応(生検分化型,EUS-M/SM境界領域)・術前姑息的適応(生検未分化型,EUS-SM,UL+のいずれか有り)と設定している. 結果: 平成16年4月から平成22年3月までの72か月間に470病巣の胃EMR, ESDを行った. 最終診断が癌であった252病巣について解析した.その結果,最終診断が治癒切除あるいは適応拡大治癒切除であった割合は,術前良悪性境界領域病巣で96.7%(58/60),術前根治的適応で95.0%(132/139),術前診断的適応で82.5%(33/40),術前姑息的適応では30.8%(4/13)であった.全体では,約5%(13病巣)において,術前適応設定と内視鏡的切除の結果が解離し,病理結果による治療方針変更が必要であった. それらの病巣での解離要因は,生検tub2病巣での未分化型混在深部浸潤や,EUSでのoverstageなどであった.結論: 早期胃癌ESDの説明同意に際しては,約5%程度の病巣において術前適応設定と最終診断が解離する事の十分な説明が必要と考えられた.その後の追加症例を含めて報告する.
索引用語 早期胃癌, ESD