セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESD治療成績3

タイトル 内P-62:

当院の85歳以上超高齢者に対する胃ESDの現状

演者 村山 実(流山中央病院・外科)
共同演者 河野 鉄平(流山中央病院・外科), 島崎 朝子(東京女子医大東医療センター・外科), 臼田 敦子(東京女子医大東医療センター・外科), 浅香 晋一(東京女子医大東医療センター・外科), 山口 健太郎(東京女子医大東医療センター・外科), 島川 武(東京女子医大東医療センター・外科), 勝部 隆男(東京女子医大東医療センター・外科), 成高 義彦(東京女子医大東医療センター・外科)
抄録 【目的】現在高齢者においても胃ESDは標準的治療として施行されているが,重篤な全身合併症の報告も散見されるため,85歳以上の超高齢者に対する安全性については不明な点が多い.そこで今回は当院での超高齢者に対する胃ESDの現状について検討を行った.【対象と方法】2010年4月~2013年2月の期間に当院で胃ESDを施行した75歳以上の高齢者は34例41病変.それらを85歳以上の超高齢者11例14病変(H群:85~96歳,中央値89.5歳),75歳~84歳までの高齢者23例27病変(E群:75~84歳,中央値78歳)の2群に分け比較検討を行った.検討項目は,患者背景(性別,Performance status(PS),癌以外の併存疾患(虚血性心疾患,肝硬変,脳血管障害,その他)の有無,抗血栓療法の有無,他癌併存の有無),病変因子(占居部位,病変径,組織型,ESDの適応),ESDの安全性(施術時間,術中合併症,術後合併症,術後在院日数),根治度,追加治療についてみた.【結果】性別はH群男/女 4/10,E群15/12で,H群で女性が多い傾向にあったが統計的有意差は認めなかった.PS0~2/3~4がH群6/8,E群25/2であり,H群でPS3~4を多く認めた(p=0.0005).併存疾患の有無,抗血栓療法の有無では差を認めず,他癌併存はH群の1例,E群の4例で認めた.病変因子では占居部位,病変径,組織型で差を認めず,ESDの適応はH群の2例,E群の5例がpSM2が要因の適応外だった.施術時間中央値はH群129分,E群196分で差を認めず,術中合併症はH群の1例で穿孔を,術後合併症はE群の1例で術後出血を認めたがいずれも内視鏡的に対処し得た.術後在院日数は両群とも5日だった.根治度はH群の2例,E群の5例でpSM2が要因の非治癒切除で,H群では1例が他癌併存,1例が全身状態から追加治療せず,E群の1例が追加治療を希望せず,1例が他癌併存のため経過観察となり,3例が追加治療を行った.【結語】当院の超高齢者の胃ESDは, PSが高い症例を多く認めたが,安全に行われていた.非治癒切除例は経過観察されていた.
索引用語 ESD, 超高齢者