セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESD治療成績3

タイトル 内P-63:

当センターにおける治療困難部位の胃病変に対するESDの現況

演者 浦出 伸治(手稲渓仁会病院・消化器病センター)
共同演者 三井 慎也(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 田沼 徳真(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 野村 昌史(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 村上 佳世(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 永井 一正(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 田中 一成(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 真口 宏介(手稲渓仁会病院・消化器病センター)
抄録 【背景】ESDの利点は,病変の大きさや部位に関わらず,病変を確実に一括切除することが可能であることである.しかし,病変の部位によっては,その解剖学的特徴の違いのため,ESDの難易度に差がある.【目的】一般的に治療困難とされる部位の胃病変に対するESDの治療成績について検討する.【対象】2003年7月から2012年12月までに当センターでESDを施行した胃上皮性腫瘍585例を対象とした.噴門部,穹隆部,体部大彎,角部小彎,幽門部,残胃を治療困難部位と定義したところ,治療困難部位群(以下A群)は152病変であった.腫瘍径,治療時間,偶発症(穿孔,後出血)発生率,一括切除率,一括完全切除率,治癒切除率について,A群とそれ以外の群(以下B群,433病変)の間で比較検討した.また,A群の部位別にも検討した(比較対象はB群).
【結果】腫瘍径(mm):A群4-65(中央値20),B群2-88(中央値18),p=0.06.
治療時間(分):A群11-390(中央値90),B群10-390(中央値60),p<0.01. 噴門部28-300(中央値100),p<0.01. 角部小彎11-390(中央値80),p<0.05.
穿孔発生率:A群6.6%(10/152),B群2.1%(9/433),p=0.01. 体部大彎13.5%(7/52),p<0.01.
後出血発生率:A群5.3%(8/152),B群4.6%(20/433),p=0.45.
一括切除率:A群92.8%(141/152),B群97.2%(421/433),p=0.33.
一括完全切除率:A群84.2%(128/152),B群89.8%(389/433),p=0.28.
治癒切除率:A群67.8%(103/152),B群78.5%(340/433),p=0.10. 噴門部33.3%(8/24),p<0.01.
【まとめ】今回の検討では,部位によっては治療時間や合併症発生率に有意差を認めたが,A群とB群の間で一括完全切除率に有意差はみられなかった.
索引用語 ESD, 胃病変