セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESDトレーニング

タイトル 内P-66:

胃ESDトレイニーの立場からステップアップへの課題

演者 木下 真樹子(国立南和歌山医療センター・消化器科DELIMITER国立南和歌山医療センター・内科)
共同演者 木下 幾晴(国立南和歌山医療センター・消化器科), 山本 佳司(国立南和歌山医療センター・内科), 加藤 道夫(国立南和歌山医療センター・内科), 岡 正巳(国立南和歌山医療センター・外科), 中谷 佳宏(国立南和歌山医療センター・外科), 玉置 卓也(国立南和歌山医療センター・外科), 小澤 悟(国立南和歌山医療センター・外科), 田端 宏尭(国立南和歌山医療センター・外科)
抄録 【目的】当科は2010年6月よりESDを導入し2013年2月までに食道,胃,大腸で119例施行した.主に常勤医2人で施行し,うち1人はトレイニーである.トレイニー完遂例をA群,指導医交代例をB群,指導医施行例をC群とし比較検討しトレイニーの今後の課題を明らかにする.【対象】2010年6月から2013年2月までに当科で施行した胃ESD72病変を対象とした.デバイスはIT2を基本とし,内訳は絶対適応49,適応拡大15,適応外7,liomyoma1病変,平均年齢は69歳,平均最大標本径37mm,平均最大病変径17mm,平均施行時間97分,合併症は微小穿孔1,後出血1であった.【結果】A,B,C群はそれぞれ25:15:32病変,平均年齢73:64:71歳,平均最大標本径33:36:41mm,平均最大病変径14:17:21mm,施行時間97:110:84分,絶対適応22:7:17病変,適応拡大2:6:9病変,適応外1:2:6病変,前庭部11:2:6病変,胃角部4:4:2病変,体下部5:4:6病変,体中部1:2:9病変,体上部4:2:5病変,噴門部0:1:4病変であった.【考察】A群は標本径や病変径が小さく22/25例で絶対適応病変であり比較的容易な病変であった.C群は困難部位や瘢痕,大きさに関わらず安定した成績を残していた.指導医との交代を要したB群は,トレイニーにとってステップアップへの課題となる病変である.内訳は,いわゆる困難部位7病変(幽門輪を含む前庭部や胃体部大彎側,噴門部など)でナイフを有効に当てられない例や血管処理に手間取り過凝固で病変が硬くなり行き詰る例などが多く,潰瘍瘢痕合併4病変では切離ラインの同定困難,他にSM深部浸潤による剥離困難が主であった.困難となった要因を認識し繰り返しビデオを見返し反省することや指導医の手技をよく観察しデバイスの扱い方により習熟すること,ストラテジーを学習すること,豚胃粘膜を使用した瘢痕モデルの活用などが今後の課題克服に重要と思われた.
索引用語 胃ESD, トレイニー