セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-ESDトレーニング

タイトル 内P-68:

当院での胃ESD教育法

演者 前川 直志(市立四日市病院・消化器科)
共同演者 山脇 真(市立四日市病院・消化器科), 熊谷 成将(市立四日市病院・消化器科), 二宮 淳(市立四日市病院・消化器科), 桑原 好造(市立四日市病院・消化器科), 水谷 哲也(市立四日市病院・消化器科), 小林 真(市立四日市病院・消化器科), 矢野 元義(市立四日市病院・消化器科)
抄録 【目的】胃ESDは高度な技術を要し重篤な偶発症も散見され,効率的な研修方法の確立は急務である.当院で研修をしたスタッフの成績から教育方法を検証した.【対象】H23年度132例(食道/胃/十二指腸/大腸:6/72/2/53),H24年度(~2月)136例(4/76/3/53)のESDを行った当院で,卒後5~6年目のスタッフ1名がH23年9月~H25年2月の1年半の間に胃ESDを行った早期胃癌または腺腫30病変.【研修方法】研修資格は1.上部消化管内視鏡検査1000件以上経験,2.確実な狙撃生検,3.腫瘍の範囲診断能とした.3条件を満たした研修生は,ESD200例以上(食道/胃/大腸:10/150/50)経験の上級医と以下のSTEPに従いマンツーマンで研修を進めた.STEP1: 術前10例の精査内視鏡を行い戦略を自分なりに考え,同症例ESDの助手に入り術後に疑問点について上級医とディスカッションを行う.STEP2:前庭部病変でマーキングと周囲切開を上級医が行い,剥離と剥離後焼灼を3例行う.STEP3:豚胃の仮想病変のマーキングから剥離までを3病変行う.以上3STEPを終えた時点でESDを開始し,前庭部ESDを3例経験後,体部へステップアップした.できるだけ2週間に1病変以上治療に携われるように治療困難例を除き対象を絞らなかった.症例毎に治療計画を記入した症例カードを作成し,上級医から修正点や注意点の指導を受けた.術中研修生は完全にバックアップされ,偶発症を未然に防ぐよう努めた.治療後に研修生は自身の内視鏡写真等を見返して反省点を検討しフィードバックを図った.【成績】合計27症例30病変(前庭部11胃角部5体部14),一括切除率97(前半15症例/後半15症例:93/100)%,平均腫瘍径13.5(12/15)mm,平均術時間73(89/56)分,穿孔率3(7/0)%,後出血率0(0/0)%【まとめ】上級医が常に交代可能な体制をとる事で導入初期の治療成績低下が回避できた.症例を絞り込まない事で研修生はコンスタントに治療に携わり勘が鈍らず,術前計画と術後見直しを行うことでより短時間で安全かつ確実な治療が行え,効率的な研修につながった.
索引用語 教育, ESD