セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-IEE1 |
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タイトル | 内P-69:分化型・未分化型組織混在胃癌に対するNBI併用拡大観察の有用性と問題点 |
演者 | 小牧 祐雅(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学) |
共同演者 | 佐々木 文郷(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 小野 陽平(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 田中 啓仁(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 牧野 智礼(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 小薗 雅哉(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 岩屋 博通(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 有馬 志穂(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 田口 宏樹(鹿児島大・光学医療診療部), 坪内 直子(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 上村 修司(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 瀬戸山 仁(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 船川 慶太(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 藤田 浩(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 沼田 政嗣(鹿児島大・光学医療診療部), 井戸 章雄(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学) |
抄録 | 【背景・目的】未分化型早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(以下ESD)は,多施設共同試験が進められているが,混在型早期胃癌の取り扱いについては検討段階である.今回,我々は当科でESDを施行した早期胃癌症例を解析し,混合型早期胃癌に対するNBI併用拡大観察(以下NBI-ME)の有用性及び治療成績を検討し,同疾患の問題点を明らかにすることを目的とした. 【方法】2009年1月から2013年1月までに当科でESDを施行した胃病変168症例中,早期胃癌136例を対象とした.対象を分化型癌(n=120),未分化型癌(n=5),混在型癌(n=11;分化型癌優位7例,未分化型癌優位4例)に分け,1)一括切除率,2)腫瘍径,3)完全治癒切除率,4)混在型癌の術前診断におけるNBI-MEの有用性を検討した. 【成績】1)2)各群とも一括切除率は100%で,腫瘍の平均長径は分化型群で21.7mm,未分化型群で11.2mm,混在型癌群で30.1mmだった.3) 混在型癌群の完全治癒切除率(37%)は,分化型癌群(87%)に比し有意に低く(P<0.001),未分化型癌群(80%)に比し低い傾向だった(P=0.105).また,混在型癌群の中で分化型癌優位と未分化型癌優位の完全治癒切除率には差がなかった.混在型癌群が非治癒切除になった要因は,腫瘍径20mm以上:7/11例,脈管侵襲:3/11例,粘膜下層浸潤:6/11例であった.4)NBI-MEを用いることで,分化型癌優位の混在型癌7例中6例でESD術前に構造の消失や微細血管のネットワーク消失など病変内の未分化型癌の混在を認識可能だった. 【結語】NBI-MEは,分化型・未分化型組織混在胃癌の診断に有用である.しかし,混在型癌は分化型癌や純粋な未分化型癌と比べ治癒切除率が低く,未分化型癌の混在が疑われる症例に対する内視鏡治療は,その適応について慎重な検討が必要である. |
索引用語 | 混在型早期胃癌, NBI-ME |