セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-IEE1 |
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タイトル | 内P-70:胃MALTリンパ腫の拡大内視鏡所見,特にNBIおよび酢酸併用の有用性について |
演者 | 田野 俊介(三重大附属病院・光学医療診療部) |
共同演者 | 田中 匡介(三重大附属病院・光学医療診療部), 稲垣 悠二(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 野尻 圭一郎(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 二宮 克仁(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 山田 玲子(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 井上 宏之(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 葛原 正樹(三重大附属病院・光学医療診療部), 濱田 康彦(三重大附属病院・光学医療診療部), 堀木 紀行(三重大附属病院・光学医療診療部), 竹井 謙之(三重大附属病院・消化器・肝臓内科) |
抄録 | 【目的】胃mucosa-associated lymphoid tissue(MALT)リンパ腫は胃炎に類似した形態を示し診断が困難な場合がある.また治療後も治療前と同様の萎縮様粘膜を呈し,遺残の有無の診断が困難な場合もある.一方で近年拡大内視鏡はNBIなどの画像強調を併用し胃炎,早期胃癌の診断に広く用いられてきている.今回我々は胃MALTリンパ腫のNBIおよび酢酸散布を併用した拡大内視鏡所見について検討した.【対象と方法】対象は1998年11月から2012年3月までに当院で病理学的診断がされた胃MALTリンパ腫28例(男性16例,女性12例,平均年齢63.1歳)である.拡大観察はNBIおよびNBIと酢酸の併用で行った.Lugano国際分類でstageIが26例,stageIIEが2例で,3例の腫瘤型の他はすべて表層型であった.H.pylori感染は20例(71.4%)で陽性であり,治療としてH.pylori除菌療法が27例,化学療法が1例施行され,さらに除菌療法で無効の場合は2次治療として放射線療法を施行した.その結果CRは18例であった.治療前および再発,遺残症例に拡大内視鏡を施行した症例は20例あり,治療後に拡大内視鏡を施行した症例は26例であった.【結果】治療前および遺残部位の拡大内視鏡による観察を行った20例全例でNBI併用で蛇行する血管を認めた.また,19例でNBIと酢酸の併用で腺管構造が破壊された無構造の領域として認めた.また治療後,遺残を認める症例では治療前と同様にNBI併用で蛇行する血管を認めた.CRの症例18例中12例は,NBI併用で腺管構造が確認できたが6例ではNBI併用で蛇行する血管を認め,遺残の有無の判別が困難であった.しかし,NBIと酢酸を併用したCR16例では全例で腺管構造が確認できた.【結論】NBI,酢酸散布を併用した拡大内視鏡で胃MALTリンパ腫の診断,再発や治療無効の場合のリンパ腫細胞の遺残部位の診断が可能であった. |
索引用語 | 胃MALTリンパ腫, 拡大内視鏡 |